足の疲れを取る方法とは?自宅でできるストレッチなどのセルフケア方法を紹介

「立ち仕事が続いて足の重だるさがなかなか取れない」
「夕方になると足のむくみが気になる」

あなたもこのような足の疲れを経験したことはありませんか?

足の疲れやむくみはケアせずに放っておくと、体の不調を引き起こす原因となる可能性も。疲れを解消するためには、毎日のセルフケアが重要です。

そこで当記事では、自宅で簡単にできるストレッチやマッサージなどのセルフケア方法を紹介します。

当記事を参考にすることで最適な対処法が見つかり、足の疲れ解消に役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。

まずは足の疲れやむくみの原因を理解しよう

足の疲れをケアする女性の様子

足の疲れやだるさは、筋肉の疲労によって起こる血行不良が原因です。

足は心臓から遠い場所にあり、血液を循環させるには重力に逆らう必要があるため、心臓の力だけでは血液を循環できません。そのため、ふくらはぎの筋肉には足に溜まった血液を心臓まで押し戻すポンプの働きがあります。

立ち仕事や歩きすぎなどによって筋肉の柔軟性が低下すると、ふくらはぎのポンプ作用がうまく働かなくなってしまいます。さらにポンプが働かなくなると足の血流が悪くなり、疲れやむくみを引き起こしてしまうのです。

血行不良を起こしやすい要因として、以下が挙げられるのでぜひチェックしてみましょう。

  • 筋力低下
  • 柔軟性低下
  • 長時間のデスクワーク
  • 立ち仕事
  • 運動不足

足の疲労は乳酸が原因なの?

以前はスポーツ後などに起こる疲労の原因は、体内で作られる乳酸が原因であると考えられていました。

しかし、近年「乳酸=疲労物質という考えは間違いであると言われています。疲労は筋肉のエネルギー源である糖の貯蔵量低下や、筋温上昇などのさまざまな原因から発生する1)と考えられています。

さらに、日常生活では乳酸が蓄積されることはほぼなく、日常的な疲労に乳酸は無関係です。そのため、乳酸は疲労の直接的な原因ではないと言えるでしょう。

足の疲れ解消にオススメ!自宅でできる簡単セルフケアを紹介

ここからは、足の疲れを取るためのセルフケア方法を紹介します。

どれも自分で簡単に実施できる方法なので、ぜひ試してみてください。

寝るときは足を上げる

寝る時に足を上げると効果的

足に疲労を感じるときは、足を心臓よりも高く上げて寝るとよいでしょう。就寝時に足を上げることで足の血流が改善し、疲労回復やむくみ予防に効果的です。

誰にでも気軽に取り入れられる方法ですが、体勢によっては腰や膝に負担がかかる可能性もあるため注意してください。

足先だけを上げるのではなく、クッションやフットピローなどのグッズを使用してふくらはぎ全体を上げるようにしましょう。また、足を高く上げすぎると他の部位に負担がかかり、反対に疲労が蓄積する可能性もあります。

足を温める

湯船にしっかりと浸かり、足を温めることも血流改善に効果があります。多忙で湯船に浸かる時間がない場合には、就寝前に5~10分程度の足湯もオススメです。

また気温の下がる季節は、足が冷えると血行が悪くなってしまいます。レッグウォーマーや保温性の高い靴下を使用し、足首周辺を温めることでむくみ予防に効果的です。

着圧ソックスを履く

足首からふくらはぎにかけての着圧ソックスを履くことで、血流やリンパの流れが改善できます。足首から上に向けて血行が促進されるよう設計されているため、ふくらはぎのポンプ機能のサポートが可能です。

ただし、着圧ソックスは正しい方法で使用しなければ、さらにむくみを引き起こしたり、他の病気を招いたりする可能性があります。

ドラッグストアなどで市販されているものはそれぞれ形状や圧力が異なるため、自分のサイズや使用用途に合ったグッズを選びましょう

こまめに水分補給をする

足にむくみやすさを感じる方は、水分補給を我慢している方が多いかもしれません。しかし、我慢することでむくみを悪化させている可能性が高いです。

水分補給が不足すると、身体は自然に水分を貯めこもうと働いてしまいます。そのため、むくみを悪化させてしまい、足に疲れを感じやすくなるのです。

足のむくみを予防するためにも、一日に1.5Lを目安に水分補給を行うとよいでしょう。

マッサージを行う

ふくらはぎをセルフマッサージしている様子

足の疲れを改善するために、マッサージを行っている方も多いでしょう。筋肉の疲労が原因の場合は、入浴後にふくらはぎや太ももを中心にマッサージをすることが効果的です。

また、むくみが気になる方はリンパの流れが溜まりやすい膝裏のマッサージもオススメ。ただし強く圧迫すると痛みが出現しやすいので、テニスボールやフォームローラーを使用し、痛みのない範囲で行ってください。

ストレッチを行う

足に疲労感がある場合、ふくらはぎや足裏の筋肉が硬くなっているかもしれません。ストレッチで筋肉を伸ばすことで、足の疲労解消に効果があります。

また、足につく大きな筋肉を動かすことで血流の流れが改善できます

次項では簡単にできるストレッチを紹介するので、ぜひ習慣化してみましょう。

参考記事:足のだるさを取る方法が知りたい!簡単なストレッチやマッサージを解説

【即効性あり】足の疲れが取れるストレッチ4選!

ここからは、足の疲労解消にオススメのストレッチを紹介します。

短時間で簡単にできる内容なので、就寝前や仕事の休憩中に試してみてください。

腸腰筋ストレッチ

まずは、股関節の前側につく「腸腰筋(ちょうようきん)」のストレッチを紹介します。

骨盤と太ももをつなぐ筋肉の一つで、柔軟性を高めることで足の疲労軽減だけではなく、腰痛予防姿勢の改善にも効果的です。

腸腰筋ストレッチ

STEP1:片膝立ちの姿勢になりましょう
STEP2:前方の足に体重をのせましょう
STEP3:元の姿勢に戻ります
STEP4:繰り返し実施しましょう
※腰を反らさないように注意しましょう

参考記事:立ちっぱなし腰痛はなぜ起こる?痛みの原因や立ち仕事が楽になるストレッチを紹介

大殿筋ストレッチ

次にお尻の筋肉である「大殿筋(だいでんきん)」のストレッチを紹介します。

人体で2番目に大きな筋肉のため、ストレッチを行うことで血流改善や冷え予防に効果があります。

とくにデスクワークなどで座っていることが多い方は硬くなりやすく、疲れの原因にもなりやすいため、積極的にストレッチで伸ばすとよいでしょう。

大殿筋ストレッチ
STEP1:片足を反対側の太ももの上に乗せましょう
STEP2:膝を抱え反対側の方へ引き寄せましょう
STEP3:元の姿勢に戻りましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
STEP5:お尻の筋肉が伸びた状態を保持しましょう

※腰が丸まらないように注意しましょう

腓腹筋ストレッチ

次に紹介するのは、血液を循環させるポンプの役割があるふくらはぎにつく筋肉を伸ばすストレッチです。

足の血流改善や疲労回復にはもちろん、けが予防としてもオススメのストレッチです。毎日継続して行いましょう。

腓腹筋ストレッチ
STEP1:壁に手をつきましょう
STEP2:前方の足に体重を乗せましょう
STEP3:ふくらはぎが伸びた状態を保持しましょう
STEP4:繰り返し実施しましょう
※踵が床から離れないように注意しましょう

足趾ストレッチ

次に、足の指を曲げる働きがある筋肉のストレッチを紹介します。

足の指は靴下や靴を履くことで動きが制限されやすいため、なかなか自由に動かす機会がありません。

ストレッチなどで積極的に動かすことで血流の改善だけではなく、バランス能力が向上し、立ち姿勢の改善にも効果的です。

足趾ストレッチ
STEP1:片膝を立てましょう
STEP2:後方の足のつま先を立て体重を乗せましょう
STEP3:足裏の筋肉が伸びた状態を保持しましょう
STEP4:痛みのない範囲で行いましょう

足のダルさやむくみが続いている場合は病院を受診しよう

立ち仕事や歩きすぎなどの思いつく原因がとくにないにもかかわらず、長期間だるさやむくみが続いている場合は病気を発症している可能性があります。足の疲れを放置すると危険な病気もあるため、一度医療機関を受診しましょう。

足の疲れやむくみの原因となりうる病気として「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」「甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)」「閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)」などが考えられます。

以下の症状がみられる場合はなるべく早く病院を受診し、原因を調べてもらうとよいでしょう。

  • 足の血管がボコボコ浮き出ている
  • 頻繁に足がつる
  • 足がだるく、身体や顔もむくんでいる
  • 足のだるさに痛みやしびれを伴う
  • 片足だけむくんでいる

まとめ

本記事では、足の疲れを取るセルフケア方法について解説しました。

日ごろから足のむくみが気になっていても「いつものことだからしょうがない」と対策を行わない方が多いかもしれません。

しかし、足の疲れを放置することで身体の不調を引き起こす原因となる可能性も。

本記事で紹介したストレッチやマッサージなどのセルフケアを日常的に実践して、足の疲れやむくみを予防しましょう。

それでは、あなたの悩みを改善するのに、本記事をお役立ていただけますと幸いです。

【参考文献】
1)八田秀雄,乳酸をどう考えたらよいのか,体力科学(59),8-10,2010