姿勢分析をリハビリに活かすコツとは?具体的な指導方法やポイントを解説!

姿勢分析をリハビリに活かすコツとは?具体的な指導方法やポイントを解説!

姿勢分析をリハビリに活かすためには、正しく姿勢を評価して適切な運動療法を提案することが大切です。他にも、患者さんのモチベーションを高めたり、安全にリハビリを進めたりするためのポイントを押さえる必要があります。

本記事では姿勢分析をリハビリに活かすためのコツを詳しく解説。姿勢の異常パターンに応じた具体的な運動療法の指導例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

リハビリの前に姿勢分析が必要な理由

患者に対して姿勢評価する様子

リハビリの前に姿勢分析をすると、体の痛みや不調の原因を特定できる可能性があります。根本原因にアプローチできるようなリハビリ計画を立案するためには、姿勢分析が欠かせません。

さらに患者さんが自分の体に起こっている問題を客観視したり、リハビリを通して体が改善する過程を実感したりするメリットもあります。姿勢分析をすると、リハビリに取り組むためのモチベーションアップも期待できるのです。

姿勢分析をリハビリに活かすためのコツ

姿勢分析をリハビリに活かすためは、運動療法の指導法を工夫したり、姿勢を改善するメリットを伝えたりすることが重要です。また、効果的なリハビリにするためにも、正しく姿勢を評価する必要があります。

患者さんが実践できる運動療法を指導する

姿勢分析の結果をもとにリハビリメニューを組み立てる際には、患者さんが実践できる運動療法を取り入れることが大切です。

患者さんにとって難易度が高く実践が難しい運動療法を提案しても、リハビリの効果を発揮できません。

患者さんと意思疎通を図りながら、患者さんの身体能力や症状に合わせて適切な運動療法を提案しましょう。

姿勢を改善するメリットを伝える

姿勢を改善するメリットを患者さんに伝えると、リハビリを続けるためのモチベーションを維持しやすくなります。たとえば次のようにメリットを伝えるとよいでしょう。

「姿勢を改善すると、腰の負担が軽減できるから、腰が楽になる」
「姿勢を改善すると足を前に踏み出しやすくなるから、歩きやすくなる」
「姿勢を改善すると、見た目が若々しくなる」

どのようにメリットを伝えれば、患者さんのモチベーションがアップするのかはケースバイケースです。患者さんと日ごろからコミュニケーションを取って、リハビリを通して何を達成したいのかを把握することが大切です。

正しく姿勢評価をする

リハビリで痛みや不調を改善したい場合は、正しく姿勢を評価することが重要です。患者さんの姿勢によって、効果的な運動療法が異なるため、姿勢評価が誤っていると間違ったリハビリを実施することになります。

間違ったリハビリを続けると、患者さんがリハビリを継続してもなかなか症状が改善しない可能性もあるため注意しましょう。

正しい姿勢評価については次の記事で紹介しているので、参考にしてください。

参考:姿勢評価の方法と見るべきポイントは?評価シートの書き方も解説!

姿勢分析を活用したリハビリの指導例

姿勢分析をすると後弯前弯型や後弯平坦型、平背型などの異常パターンを判定できます。各パターンの詳細については、前項で示した参考記事をご覧ください。

ここでは患者さんに指導しやすいように、「猫背」や「反り腰」などの一般的な名称に分けてリハビリの指導例を紹介します。

姿勢分析の後に施術する様子

猫背

猫背は胸の高さにある胸椎が過度にカーブして、頭が前に突き出した姿勢です。肩こりや首の痛みにつながりやすいため、改善することが推奨されています。猫背を改善するためには、僧帽筋のトレーニングや大胸筋のストレッチが有効です。

僧帽筋のトレーニング

僧帽筋は首から背中の幅広い範囲を覆う大きな筋肉です。猫背を改善させるためには、肩甲骨を内転・下制方向に動かす僧帽筋中部・下部線維をトレーニングする必要があります。今回はトレーニングの一例として、下部線維をトレーニングする方法を紹介するので、参考にしてください。

患者さんが負担を感じないようにするためには、片方ずつ行うように指導することをおすすめします。トレーニングに慣れていない患者さんが、いきなり両腕を挙げてトレーニングすると背中を痛める可能性があるため注意しましょう。

大胸筋のストレッチ

大胸筋は胸を覆う大きな筋肉で、猫背になると十分に伸びなくなり、呼吸が浅くなることがあります。

大胸筋をストレッチする際には、壁を使うと便利です。肘を痛めないようにするためにも、肘を曲げた状態で大胸筋を伸ばす点がポイントです。以下のようなストレッチを患者さんに指導してみましょう。

息を吸い込むタイミングで大胸筋を伸ばすと、ストレッチしやすくなります。無理に伸ばすと翌日痛みが出ることがあるため、患者さんには痛みが出ないくらいの適度な力で伸ばすように伝えください。

反り腰

反り腰とは腰椎が過度にカーブして、腰が反った状態です。骨盤の前傾が過剰になると、反り腰になるため骨盤を正常な位置に戻すためのリハビリを行います。さまざまなメニューが考えられますが、例えば腹筋のトレーニング腸腰筋のストレッチを指導するとよいでしょう。

腹筋のトレーニング

腹筋が弱くなると骨盤を正常な位置に保つ力が弱くなり、過度に前傾しやすくなります。腹筋を鍛える際は、クランチと呼ばれる方法でトレーニングするのが一般的です。以下の動画にならって、患者さんにアドバイスしてみましょう。

腰痛のある患者さんが無理に体を起こそうとすると、痛みを悪化させることがあります。体を起こすことが難しい場合は、無理をさせずに頭を持ち上げる程度に留める点がポイントです。

腸腰筋のストレッチ   

腸腰筋は腰の骨から骨盤の中をとおり、太ももの内側まで伸びる長くて大きな筋肉です。姿勢を維持するために使う筋肉なので、デスクワークや立ち仕事など同じ姿勢をキープするような業務に従事している人は固くなりやすい点が特徴です。

反り腰を改善するための基本となるストレッチなので、次の動画をもとに患者さんにアドバイスしてみましょう。

反り腰が原因で腰を痛めている人は、無理に腸腰筋を伸ばすと痛みが出ることがあります。痛みがある場合は、体を無理に起こそうとせずに、痛みのない範囲でストレッチすることが大切です。

リハビリ指導で姿勢改善を目指すためのポイント

ポイントを表すイメージ

リハビリ指導で姿勢改善を目指す場合は、次のポイントを意識してみてください。

  • 良い姿勢について説明する
  • 痛みがある場合は中止するように伝える
  • リハビリを実施したあとの状態をチェックする
  • 変化が見られない場合はやり方を変える
  • 日常生活の注意点もリハビリと一緒に指導する

それぞれについて解説します。

良い姿勢について説明する

姿勢改善を目的にリハビリをする場合は、始める前に良い姿勢の状態について患者さんに詳しく説明しましょう。

良い姿勢を事前に伝えることで、日ごろから正しい姿勢になるように心がけられるようになります。

良い姿勢を伝える場合は、立位と座位の2パターンに分けて説明することが大切です。可能であれば、患者さんに正しい姿勢を実践してもらい感覚をつかんでもらうのもよいでしょう。

痛みがある場合は中止するように伝える

痛みがある場合はリハビリを中止しましょう。痛みは体が無理をしていることを知らせるサインです。サインを無視してリハビリを続けると、痛みが悪化する恐れがあるため注意してください。

同じ部位をトレーニングしたり、ストレッチしたりする場合、さまざまなやり方があります。患者さんのお体の状態にあった方法を提案しましょう。

リハビリを実施したあとの状態をチェックする

姿勢改善を目的としてリハビリをすると、リハビリを実施した直後から姿勢に改善が見られることがあります。

そのため可能であれば、リハビリの前後で姿勢を比較してあげると患者さんのモチベーションアップにつながります。

ビフォーアフターを見せる場合は、1度のリハビリではすぐに元の状態に戻ることを言い添えることもポイントです。正しい姿勢をキープするためには、繰り返しのリハビリが必要なことを患者さんに理解してもらいましょう。

変化が見られない場合はやり方を変える

リハビリをしても姿勢に変化が見られないこともあります。2~3回リハビリをして変化がない場合は、別のやり方を検討しましょう。または患者さんの日常生活動作に問題がないか洗い出すために、改めてヒアリングすることも大切です。

変化が見られない状態が続くと患者さんのモチベーションが低下して、リハビリが続かなくなるので、なんらかの対策を考えましょう。

日常生活の注意点もリハビリと一緒に指導する

日常生活で姿勢が悪かったり、過度に体に負担をかけていたりすると、リハビリをしても姿勢が改善しないこともあります。

そのような状態を防ぐためにも、リハビリの指導をするだけではなく、日常生活で中止すべきことを一緒にアドバイスしましょう。

姿勢分析を実施してリハビリの効果を高めよう

姿勢分析を実施すると体の痛みや不調の根本原因の発見につながることがあるため、効果的なリハビリを実施できる可能性があります。

しかし姿勢分析は、正しく評価してこそ効果を発揮します。間違った評価をもとにリハビリ計画を立てても効果が出ないので注意しましょう。

正しく評価する場合は、経験と知識が欠かせません。そのため経験が浅いうちは、姿勢評価に自信がないセラピストも多いのではないでしょうか。また正しく評価できたとしても、適切な運動療法を提案できるのか不安を抱えるケースもあります。

そのような場合は、リハサクポスチャーの導入を検討してみてください。

リハサクポスチャーは豊富な姿勢分析機能が実装されたアプリで、運動療法クラウド「リハサク」との連携も可能です。

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