施術やリハビリの効果を高めたい場合、改善計画を立てる前に姿勢分析を実施することをおすすめします。姿勢の悪さが体の痛みや不調の原因になることも多いため、姿勢を正確に分析すると、施術やリハビリの効率化につながるのです。
本記事では姿勢分析のやり方やメリット、ポイントなどを詳しく解説します。また、姿勢分析におすすめの最先端アプリも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
姿勢分析とは
姿勢分析とは、身体の姿勢やアライメント(骨や関節の位置関係)を評価し、姿勢の問題点を特定することです。
姿勢の問題は、痛みや機能不全の原因となることがあります。そのため、痛みや不調の改善を目指す場合は、まずは姿勢分析をして原因をはっきりさせることが重要です。
ここでは姿勢分析の目的とやり方について解説します。
姿勢分析の目的
姿勢を分析する主な目的は次のとおりです。
- 痛みの原因の予測
- 痛みの予防
- リハビリテーションの効率化
- スポーツ活動のパフォーマンス向上
最近では、以上の他に美容改善を目的として姿勢分析が行われることもあります。
正しい姿勢分析のやり方
姿勢分析を正しく行うためには、姿勢評価のポイントや異常姿勢のパターンを把握する必要があります。前額面や矢状面のランドマークの位置や骨盤アライメントの評価方法を理解しましょう。
異常姿勢のパターンを患者さんに説明する場合は、「猫背」や「反り腰」などの言葉を用いるとよいでしょう。これらの言葉は一般的に浸透しているので、一般の方にわかりやすく説明する際に便利です。
一方で後弯前弯型や平背型などの専門的な異常パターンを把握することも大切です。実際に姿勢異常をチェックすると、猫背や反り腰などの簡略化した基準では見分けられないケースも出てきます。
正しい姿勢分析をできるようになりたい場合は、次の記事を参考にしてください。
参考:姿勢評価の方法と見るべきポイントは?評価シートの書き方も解説!
姿勢分析を行うメリット
姿勢分析を行うメリットは次のとおりです。
- 患者さんが自分の状態を客観視できる
- 患者さんが改善していることを実感できる
- 不調や痛みの原因を見つけやすい
各メリットについて解説します。
患者さんが自分の状態を客観視できる
施術を行う前に姿勢分析をして、患者さんの現在の状態を可視化することで、自分の状態を客観視できるため施術やリハビリを受けるモチベーションが上がります。
理学療法士や柔道整復師などの姿勢の専門家が、分析結果を詳しく説明することで、どこが悪くて、どのようになれば改善できるのかを把握できます。
また自分の姿勢が悪いことを自覚できるため、日常でも姿勢に気を付ける意識が芽生えるでしょう。
患者さんが改善していることを実感できる
患者さんが状態が改善していることを実感できることも、姿勢分析を行うメリットの1つです。慢性的な痛みや不調の場合、施術やリハビリをはじめたての頃は痛みの改善が一時的だったり、変化が実感しづらかったりして、改善しているように感じられないケースがあります。
そこで姿勢分析を実施して定期的に姿勢をチェックすると、姿勢の改善が認められるケースがあります。施術やリハビリの効果の実感が乏しい初期段階でも姿勢に改善が見られると、モチベーションの維持につながります。
不調や痛みの原因を見つけやすい
画像や動画などを活用して姿勢分析をすると、目視だけでは捉えづらい姿勢の悪い点を把握できることがあります。
不調や痛みの原因が、微妙な姿勢のアンバランスに起因するケースは多いものです。姿勢分析で細かなところまでチェックすると、不調や痛みの根本原因を見つけるきっかけになるかもしれません。
姿勢分析のポイント
姿勢分析をする際は、次のポイントを意識するとよいでしょう。
- 姿勢分析に時間をかけ過ぎない
- 姿勢分析の結果をわかりやすく説明する
- 姿勢を改善するためのアドバイスをする
- 姿勢の分析結果を患者さんに渡す
以上の点に注意して姿勢分析を実施しましょう。
姿勢分析に時間をかけ過ぎない
患者さんに負担をかけないようにするためにも、姿勢分析には時間をかけ過ぎないことが重要です。
とくに画像を撮影する際は時間が長くならないように注意しましょう。前方と側面、後方の写真を撮影するのが一般的ですが、撮影だけであれば1~2分程度、分析結果を示す準備をするまでに5分以内には終わらせたいところです。
分析結果を患者さんに示すまでに10分も20分もかかってしまうと、痛みで困っている患者さんは不快に思うかもしれません。
姿勢分析の結果をわかりやすく説明する
姿勢を分析したら、その結果をわかりやすく説明しましょう。痛みやリハビリを受ける患者さんのなかには自分の姿勢を気にしている方もいらっしゃいます。
そのため姿勢の画像を撮影しただけでなんの説明もないと、フラストレーションがたまって不満に思うかもしれません。
また姿勢の分析結果を渡すだけで終わってしまうのは、患者さんへの対応としては不十分です。患者さんはどのような姿勢が正しくて、どのような姿勢が間違っているのかわかりません。そのため専門家の立場から、悪い姿勢と正しい姿勢を比較して、丁寧に説明することが大切です。
姿勢を改善するためのアドバイスをする
姿勢の分析をしたあとは、姿勢を改善するためのアドバイスをするのもおすすめです。たとえば、患者さんは次のような疑問をもっています。
- 姿勢を改善するためにどのような施術をするのか?
- 姿勢を改善するために日常で気を付けることは?
- 姿勢の改善に役立つおすすめのストレッチは?
- 姿勢は本当に改善するのか?
- 姿勢を改善するまでにどれくらいかかる?
患者さんが質問せずとも、事前に以上の疑問に答えられるような説明をすると、患者さんの満足度も高くなるでしょう。姿勢分析をもとにした具体的なアドバイスについては次の記事で詳しく解説しています。
参考:姿勢分析をリハビリに活かすコツとは?具体的な指導方法やポイントを解説!
姿勢の分析結果を患者さんに渡す
姿勢の分析結果を紙やデータにアウトプットして患者さんに渡してあげると、姿勢の現状を忘れにくくなります。次回の来院まで姿勢に気を受けるモチベーションを維持しやすくなるため、姿勢の改善も進めやすくなるでしょう。
またアウトプットしたデータを患者さんがご家族に見せることで、施術所をアピールできます。実際に、姿勢分析に興味を持った方の来院につながったケースもあります。
ケースバイケースで柔軟に対応する
姿勢分析の実施については、ケースバイケースで柔軟に対応することが大切です。患者さんの症状によっては、姿勢分析を行うことが適切ではないこともあるため注意しましょう。
たとえばぎっくり腰などの強い痛みが原因で来院した患者さんには、いきなり姿勢分析を実施しないことをおすすめします。
強烈な痛みがある場合、普段通りの姿勢は評価できないため正確な姿勢分析ができません。さらに、立位姿勢の場合つらい痛みを我慢して立たなければならないので患者さんへの負担が大きくなります。
ぎっくり腰などの強い痛みで来院された場合は、まずはつらい痛みを緩和させることが大切です。そしていつも通りの姿勢で立てるようになってから、日を改めて姿勢分析を実施することを提案しましょう。
姿勢分析の精度を高める方法
姿勢分析の精度を高めたい場合は、次の方法を実践してみてください。
- セミナーに参加する
- 経験を積む
- 姿勢分析ソフトやアプリを導入する
それぞれについて詳しく解説します。
セミナーに参加する
セミナーに参加して、正しい姿勢の見方を学ぶと姿勢分析の精度を高められます。現在は姿勢分析を学ぶためのさまざまな学術団体が存在するため、資金に余裕があれば入会するのもおすすめです。
手軽に学びたい場合は、Webセミナーに参加すると姿勢の見方についての基本は把握できるでしょう。さらに深く学びたい場合は、実地でのセミナーに参加することをおすすめします。
実地であれば、骨盤や肩甲骨などのアライメントを正しく評価するために必要な触診のスキルも学べます。
経験を積む
姿勢分析を正しく行うためには、経験を積むことが大切です。日常的な癖や仕事、スポーツ競技などによって患者さんの姿勢は異なります。
日ごろの動作や癖と、姿勢のパターンをリンクさせながら分析を繰り返すことで、姿勢の悪化につながる動作や癖を特定するスキルが身につくでしょう。その結果、痛みの改善方法について適格なアドバイスができるようになります。
さらに経験を積むと、姿勢のパターンに応じて、痛みが出やすい場所や負担がかかりやすい関節が分かることもあります。姿勢の評価から症状の原因を導けるようになれば、患者さんの信頼獲得も期待できます。
姿勢分析ソフトやアプリを導入する
現在はさまざまな姿勢分析ソフトやアプリがリリースされており、中にはAIを使って分析できるツールもあります。
経験を積む前に早く正確な姿勢分析を行いたい場合は、姿勢分析をサポートするツールに頼るのも1つの手段です。ソフトやアプリを使うと、体の傾きを数値で示したり、左右の違いをラインを用いて分かりやすく可視化したりできるため、患者さんにわかりやすく説明できます。
次項では、おすすめの姿勢分析アプリを紹介するので、ぜひお試しください。
おすすめのAI姿勢分析アプリ「リハサクポスチャー」
ここでは整骨院、整体院など幅広い施設で活用されているAI姿勢分析アプリ「リハサクポスチャー」を紹介します。リハサクポスチャーは、運動療法クラウドと連携できる多機能型の姿勢分析アプリとして多くの施設で導入されています。導入するメリットは次のとおりです。
- 姿勢分析を効率化できる
- 改善ポイントを患者さんに説明しやすい
- 運動メニューを提案できる
- 患者さんとの情報共有をしやすい
それぞれについて詳しく解説するので、ぜひ導入をご検討ください。
姿勢分析を効率化できる
リハサクポスチャーを導入すると、わずか10秒以内で分析が完了するので、姿勢分析を効率化できます。姿勢画像の撮影後は患者さんを待たせることなく、AIを用いて関節や骨格のポイントを自動表示できる点が魅力です。
正面と側面に合わせて、自動でポイントを示してくれるので、セラピストが姿勢のアライメントを正確に把握しやすくなります。
改善ポイントを患者さんに説明しやすい
リハサクポスチャーには姿勢矯正に必要な改善ポイントを示す機能が実装されています。次の3パターンで筋肉を色分けして示してくれるので、改善計画の概要を掴む際に役立ちます。
- ストレッチが必要な筋肉
- 筋トレが必要な筋肉
- ストレッチと筋トレが必要な筋肉
トレーニングやストレッチのポイントが可視化されるため、患者さんの改善への意欲を高めるきっかけになります。
運動メニューを提案できる
リハサクポスチャーと運動療法クラウド「リハサク」を連携すると、姿勢分析にもとづいて運動メニューの提案を自動化できます。800種類以上の豊富な運動メニューから患者さんに合った提案をできるので、患者さんの目的や症状に合わせて効果的なプログラムを作れます。
トレーニングおよびストレッチの回数や時間、内容は、セラピストと患者さんで話し合って自由に設定できるので、運動メニューをオーダーメイドできます。
患者さんとの情報共有をしやすい
運動メニューはアプリを介して患者さんに動画で配信できるので、患者さんが正しくトレーニングやストレッチに取り組みやすくなります。運動メニューを紙でプリントアウトする必要がないため、紙代やインク代も節約できます。
情報共有をする際は患者さんにリハサクのアプリをダウンロードしてもらうだけです。リハサクのアプリはApp StoreやGoogle Playで紹介されているので、そこから簡単にダウンロードできます。
姿勢分析を実施して患者さんのモチベーションと満足度を高めよう
姿勢分析を実施すると、患者さんが自分の姿勢の悪いところを把握できるため、改善に向けたモチベーションを高める効果が期待できます。
さらに患者さんが、自宅でのセルフケアにも積極的に取り組むようになります。その結果、施術やリハビリの効果を実感しやすくなるため、患者さんの満足度アップにもつながるでしょう。
姿勢分析を行う際には、目視に頼ったり、画像撮影、アプリなどを活用したりする方法が考えられます。昨今は姿勢を分析するだけではなく、AIが改善メニューを提案してくれるアプリも登場しています。患者様のニーズに対応していくために、姿勢分析アプリを活用するのもおすすめです。
リハサクポスチャーは姿勢分析に必要な機能を網羅したうえに、運動療法クラウド「リハサク」と連携して運動メニューの自動提案ができる点が特徴です。
ベテランから初心者まで幅広いセラピストにおすすめのアプリですので、気になる方はぜひお問い合わせください。