接骨院・整骨院で保険診療を行う注意点。不正請求にも要注意

接骨院・整骨院では健康保険を適用した治療を行うことができます。しかし、身体にまつわるすべての症状を保険適用で診ることはできません。こうした違いはどこで線引きがされているか、ご存知でしょうか。

今回は接骨院・整骨院で保険診療を行う際の注意点について説明していきます。療養費が減少しつつある背景や、不正請求の危険性についても解説。また、保険外で独自性の高い自費メニューを導入するメリットについても紹介します。

整骨院・接骨院の保険診療で知っておくべきこと

まずは、接骨院・整骨院の保険診療について、療養費が年々減っている現状や適用できる症状などの基本的な情報について確認します。

療養費は年々減少している

柔道整復の療養費は、平成30年度の数値は3,310億円でした。前年度が3,471億円だったことを考えると約160億円の減少となり、7年連続のマイナスとなっています。言い換えれば、柔道整復師ひとり当たりが受け取る療養費の額は7年続けて減っているということです。

 

一方で、国民医療費の総額は43兆3,949億円と、前年比で0.8%微増しています。病院に通う老齢人口が増えることで、少子高齢社会では医療費は自然と増えていくので、増加そのものは不思議なことではありません。

近い分野であるあん摩・マッサージや鍼灸が前年分とあまり変わらない額を受け取っている中で、なぜ柔道整復の療養費は減少しているのでしょうか。

様々な原因が考えられますが、一つは給付の監査が厳しくなったためです。国民の高齢化などで医療費全体がかさんでいく中、柔道整復師の数はなおも増え続けています。2008年は約4.3万人だった数は、2018年度には2倍近い約7.3万人まで跳ね上がりました。

不正を弾き、より妥当な申請にだけ給付を行えるよう、監査機関は請求や運営状況に厳しく目を光らせています。保険診療を行っても、受け取れる療養費が今後増えるとは考えにくい状況です。

保険診療が可能な症状とは

厚生労働省では、接骨院・整骨院において「骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)」の治療には保険が使えると説明しています。また、骨折や脱臼については、緊急の場合を除いて医師の同意も必要となります。

慢性的な肩こりや腰痛の治療は、接骨院・整骨院では保険が適用できません。患者の側でも勘違いをする方が多く、治療の相談をされた整復師の方も少なくないでしょう。

保険診療を行う場合、適用できる・できない症状についてしっかり把握しましょう。また患者に対してはいつから・なにを原因としてどこが痛むのか、はっきりと質問することを心がけてください。

 

保険診療での一部負担金とは?

接骨院・整骨院の保険診療において、患者の一部負担金は原則3割です。一部負担金とは、保険診療を受けた際に患者が窓口で支払うお金を指します。一部負担金の割合は患者の年齢や所得額によって変わってくるので、保険診療を行う際は区分を忘れず確認しましょう。

やむを得ない事情において、健康保険を使えず全額を自己負担で払ったあと、申請が認められれば一定額の払い戻しが受けられます。この払い戻しを受けた分を療養費と呼びます。

申請は基本的に患者側から行います。しかし、柔道整復の場合は例外的に他の保険診療と同じように患者は窓口で一時負担金のみ支払い、残りは接骨院・整骨院の側から健康保険組合に請求することが可能です。これを「受領委任制度」と言います。

 

整骨院・接骨院で保険診療を行う際の注意点

接骨院・整骨院で実際に保険診療を行っていくにあたり、どのような点に注意すればよいか解説していきます。

不正請求に気をつける

療養費の申請が厳しく査定されるようになった原因のひとつが、不正請求です。不正請求とは健康保険協会への申請の際、施術した回数や部位を水増しすることで実際よりも多く療養費をもらう行為を指します。

柔道整復では例外的に受領委任制度が認められており、患者から月初めに「療養費支給申請書」をもらえれば後は柔整師の側で手続きを行います。患者の側から不正請求の実情は確認しにくいため、近年業界では大きな問題となっています。

不正請求を疑われないためには、カルテや領収書に施術内容を明確に残しておくことが肝心です。不正請求の多くは、接骨院・整骨院側の請求内容と、患者の問い合わせや他院の報告など他の情報が食い違うことで発覚します。正しい施術を行ったことが証明できるようしっかりと記録をつけておきましょう。

 

領収書の発行は必須

領収証の発行は、厚生労働省により平成22年の改定から義務付けられています。厚生労働省が例として出している領収証には以下の項目が記載されています。基本的にはこの内容を網羅すれば問題ありません。

・患者氏名

・領収した日付

・保険施術の合計金額

・一部負担金の金額の内訳

・保険外施術の金額の内訳

・一部負担金と保険外施術(自費施術)の合計金額(患者支払い金額)

・施術所の名前・住所

・施術管理者の名前・印鑑

不正請求の疑いから守ってくれる盾にもなるため、正確に製作しましょう。

サンプルはありますが、領収証の形式に制限はありません。ファイリングしやすいA4・A5型や、印刷の手間が少ないレシート型でも大丈夫です。毎回発行するものなので、なるべく手間がかからないものを選びましょう。

 

自費メニューの導入も検討する

保険診療は「患者に安価で便利な治療を提供する」という大きなメリットがあります。しかしながら、院の収入という面では療養費の削減や申請の手間も見過ごせません。同じ額を稼ぐ場合、自由診療と比べて労力がかかる傾向にあります。

そこで、自費メニューの導入を検討してみてはいかがでしょうか。自費メニュー(自由診療、自費診療)とは、全額が患者の自己負担となる代わりに、保険ではカバーしきれなかった部分にも施術できる独自のメニューです。

保険診療の注意点を踏まえたうえで、自分の持ち味を生かせるメニューを組み合わせることで患者の悩みにより的確にアプローチしていきましょう。

自費メニューを導入するメリットとは?

以下の項目では自費メニュー(自費診療)のメリットについて解説していきます。上手く利用すれば自分の長所を活かせるだけでなく、売上の安定にも繋がるかもしれません。ぜひ積極的に導入を検討してみてください。

技術を十分に発揮できる

保険診療では診ることができなかった症状にも、自費メニューであればアプローチが可能です。例えば、肩こりや腰痛の緩和などは代表的な治療項目です。またそれ以外にも、産後の女性の骨盤矯正や、美容目的での鍼灸など、項目次第で幅広い範囲をカバーできます。

あなたが肩こりの治療に自信を持っていたり、鍼灸師の資格もあわせて持っていたりといった場合を想定してください。保険診療の範囲ではこうしたスキルや長所を活かすことは難しいでしょう。

自費メニューであれば、持ち前の技術を十分に発揮することが可能です。スキルを眠らせてしまう前に、まずは保険診療の制限を忘れて自由にメニューを考えてみてはいかがでしょうか。

接骨院・整骨院に合った患者に施術できる

自費メニューでは院の立地や条件に合った患者を呼び込むことができます。

例えば、院の近くに運動部の盛んな学校がいくつかあると仮定します。こうした場所では、スポーツマンの学生が地元に多く住んでいると考えられます。大会の前後などは身体に不調を抱えることも珍しくないでしょう。

こうした学生向けに専用のメニューを設定してみるのはいかがでしょうか。試合後の疲労回復を目的としたマッサージや、怪我を予防するためのストレッチ指導などが代表的です。信用関係を構築し、多くの部員が通うようになれば、部活ぐるみの提携も視野に入ります。

上記の例は需要がはっきりしているパターンです。自身の長所や環境を加味すれば、より各々の接骨院・整骨院に適した患者への施術が可能となります。

客単価が上がる

自費メニューで客単価が上がる理由は大きく3点あります。

ひとつは保険診療と異なり全額が患者の自己負担となる点。国や自治体の手数料などを挟まず、患者と直接やり取りをすることができます。2点目は、需要さえ合致すれば保険診療よりも長時間・高頻度での施術も見込める点。そして最後に、保険証の提示など事務手続きがない・予約制にすれば来客の見込みが立ちやすいといった回転率の向上が見込める点です。

こうした事情から、自費メニューを導入した場合、患者ひとりごとの売上(客単価)は上がる傾向にあります。

一般的な整骨院の客単価は5000円程度とされています。そして、自費メニューでは高い技術と患者への説得力が求められます。裏を返せば、「この施術なら1回につき5000円以上払ってもいい」と思ってもらうことができれば、客単価のさらなる向上も夢ではありません。

まとめますと、保険診療では難しかった客単価の増額も、自費メニューでは技術と工夫次第で十分に狙えます。この大きなメリットをぜひ活かしてみてください。

まとめ:保険診療と自費メニューを組み合わせて接骨院・整骨院に合った治療を

接骨院・整骨院で健康保険を扱うことは可能ですが、治療できる範囲には限りがあります。また昨今は医療費の削減や不正請求の横行もあり、保険診療のみに頼って経営していくにはなかなか厳しい状況が続いています。

接骨院・整骨院の健全な運営のためには、保険診療のメリット・デメリットをよく理解することが肝心です。また同時に、保険の制約に縛られない自費メニューの存在も見逃せません。双方の特徴を踏まえて、自分と患者に最も合ったスタイルを探してみてください。

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