整体院の開業に失敗しないための4つのポイントをご紹介します!

せっかく整体院を開業しても、経営に失敗するケースが少なくありません。今回は失敗する整体院の特徴と、開業に失敗しないための4つのポイントを紹介します。

整体院などマッサージ業の倒産は増加傾向にある

2018年のマッサージ業や整骨院、整体院などの倒産件数は93件に達しており、過去10年間で最多となっています。2017年の倒産件数は68件でしたので、わずか1年の間に37%程度も増加していることがわかります。また、2020年には新型コロナウイルスが蔓延したこともあり、さらなる倒産件数増も予測されるでしょう。

そこで次項では、整体院が開業に失敗してしまう主な原因について解説するとともに、開業に失敗しないために押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

整体院が開業に失敗してしまう主な原因 

それではどうして、整体院などの施術所は近年倒産してしまう傾向にあるでしょうか?開業後すぐに潰れてしまう整体院について、その原因について解説していきます。

そもそも競争相手が増加している 

せっかく頑張って整体院を開業したのに、すぐに潰れてしまう原因の1つとして、競争相手が増加しているということがあげられます。

国家資格である柔道整復師や鍼灸師、マッサージ師などと異なり、整体院を開業するには、特に資格など必要ありません。極端に言えば、自分で「整体師です」と名乗りさえすれば、誰でも整体師になることができます。

整体師を養成する専門学校も増えており、「人間関係のしがらみから解放されたい」「自分で自由にできる時間が欲しい」と、脱サラして整体師を目指す人も少なくないでしょう。

その結果、整体院の数は年々増加し、競争が激化しているのです。また、競争相手は他の整体院だけではありません。自費比率が増加している整骨院や広義の競合としては整形外科も整体院の競争相手として考えるのが妥当でしょう。

特に柔道整復師が所属している整骨院や接骨院では、保険を使った施術に対するチェックが厳しくなってきていることから自費比率を上げることが経営上重要視されています。平成20年の柔道整復師が所属している施術所数はおよそ35,000件でしたが、そこから10年の間に、施術所数はおよそ50,000件にまで増加しています。

あいまいな施術コンセプトや技術力不足 

整体院が潰れてしまう原因としては、あいまいな施術コンセプトや技術力不足もあげられます。技術力不足に関しては非常に分かりやすいのではないでしょうか。例えば腰痛を訴える方が来られたとします。実際に施術を受けて、来院時と全く変化が見られなかった場合、もう一度その整体院に来ようと思うでしょうか。おそらく、違う整体院を探すことでしょう。

また、あいまいな施術コンセプトも患者さんを整体院から遠ざけます。もともと整体には定義がなく、カイロプラクティックの施術をおこなう所もあれば、マッサージのように慰安を目的としているところもあります。

最近増えているのは「○○県で唯一の慢性腰痛専門整体院」といった、得意な分野に特化した整体院です。例えば、「当院では肩こりや腰痛、頭痛、膝痛、股関節痛などを得意としています」という施術所と、「慢性腰痛に特化しています」という施術所の2つがあったとします。

仮に長年慢性腰痛に悩まされている方がいた場合、どちらの施術所を選ぶでしょうか。おそらく、施術コンセプトが発揮している後者を選ぶことでしょう。まず重要なことは、自分の施術所ではどのような症状を得意としているのかを打ち出すことです。次に重要なのは、患者さんの主訴(もっとも切実な悩み)を正確に理解することです。

施術コンセプトがしっかりしており、技術力に問題がなければ、患者さんのリピートにつなげることができます。逆に、どちらかが欠けていれば患者さんをリピート化できず、いずれは失敗へと追いやられます。

適切な集客人数・単価設定ができていない 

適切な集客人数・単価設定ができていないことも、整体院が潰れてしまう原因となります。開業する前に単価・人数のバランスを考慮した戦略を練らないことが原因で開業後に失敗に繋がるケースが少なくありません。

来店のタイミングをコントロールすることで「機会損失」を防ぐことも大切です。例えばキャパを上回る人数が来たとしても、対応することができません。特に1人で施術をおこなっている場合、同時に2人来られても当然のことながら施術は不可能ですし、1日に見られる人数にも限界があります。

この時に逃してしまった顧客から取れるはずだった売上のことを経営用語で機会損失と言い、集客増加などに施策に比べてかなり容易なので、見直してみましょう

また、整体院を維持していくためには、単価設定も重要です。基本的に整体の施術は自費診療なので、価格は整体師が好きなように設定できます。だからといって、1回20,000円などの単価設定にした場合、施術を受けるハードルがかなり高くなります。

もちろん、技術力が高く、ネームバリューがある整体師であれば、1回20,000円であったとしても、施術を受けに来られる方はいらっしゃるでしょう。ただ、そのような事例は極めてまれで、多くの整体師には当てはまりません。逆に、1時間2,980円といった価格にしてしまうと、たくさんの患者さんを集める必要が生じます。

適正価格を設定するには、まず、自分が1ケ月あたりどの程度稼ぎたいのかを明確にしなければなりません。仮に1人で施術をしていて、月商100万円を達成したいとしましょう。

営業日が1ヶ月25日であれば、1日当たりの売り上げは40,000円となります。1日に見られる人数が8人であれば単価5,000円、5人であれば単価8,000円となります。このように、最初に売り上げを設定し、そこから逆算していくと良いでしょう。

また、目安として施術時間に対する分単価が100~200円/分が一般的で、人気整体師であれば200円を越えている相場観であることを認識しておくと良いと思います

分析によるPDCAが回せていない 

PDCAとは、英語の「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったもので、PDCAサイクルとも呼ばれています。PDCAの歴史は古く、アメリカの統計学者であるW・エドワーズ・デミングが1950年代に提唱しました。もともとは生産管理や品質管理のためのフレームワークとして用いられていましたが、現在ではさまざまな職種でPDCAが利用されています。

Planとはその名の通り、目標を設定し、計画を立案することです。例えば、「新規患者さんを増やす」「リピーターを増やす」「腰痛をより効率的に改善する」といった目標があったとします。

それに対して、「チラシをまいたり、インターネット広告を出したりする」「感謝メールやDMを発送する」「新しい技術を取得する」といった計画を立てるわけです。

Doは、Planで立てた計画を、実際におこなうことを意味します。実際にチラシをまく、インターネット広告を出す、感謝メールやDMを発送する、新しい技術を取得して患者さんに提供するといったことがDoの中身です。

実際にDoをおこなったら、そこで満足してはいけません。次におこなうべきことがCheckです。チラシをまいたり、インターネット広告を出したりした結果、新規顧客は増えたのか、ThankyouメールやDMがリピートにつながったのか、新しい技術が腰痛の改善につながったのか、評価することが重要なのです。

仮にPlanしDoしたことが評価につながったのであれば、それを継続すれば良いでしょう。もし満足のいく評価が得られなかったのであれば、見直しや改善の余地があるということです。Checkをした結果、問題点が見つかったのであれば、次にすべきことはAction(改善)です。集客法は1つではありませんし、施術法も無数にあります。

その中から何かを選択したら、必ず評価をおこない、次につなげることが経営の安定化につながります。逆に、PDCAサイクルをしっかりと回さないと、成功しても何が良かったのか分かりませんし、失敗の原因を探ることもできません。

整体院の開業を失敗させないためには 

ここまで整体院が潰れてしまう原因についてみてきましたが、次に、整体院の開業を失敗させないために押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

整体院のブランディング・ポジショニングをしっかりと決める 

先述したように、整体には定義がありませんし、整体院で実際におこなわれている施術もさまざまです。そのため、自分の整体院のブランディングや、ポジショニングをしっかりと決めることが重要です。ブランディングとは、マーケティングの一手法です。ブランド(ここではあなたの整体院のこと)に対する信頼や共感を高め、顧客(患者さん)にとっての価値を高めていくことが目的です。

簡単に言うと、「うちの整体院の特徴は○○です」の、「○○」の部分をハッキリさせることがブランディングというわけです。最近はホームページを持っている整体院がほとんどなので、「患者さんの方で調べれば分かるだろう」と考えてしまいがちですが、患者さんが求めているのはもう一歩踏み込んだ情報です。

肩こりが得意とか、腰痛改善の実績があるとかだけでなく、「どんな患者さん(女性、男性、高齢者など)がたくさん来ているのか」とか、「待たないでみてもらえるのか」などと言ったことも患者さんは知りたいでしょう。

要するにブランディングとは、他の整体院と何が違うのかを打ち出すことともいえます。それを、ホームページを見た人などにわかりやすく伝えることが、ブランディングの基本といえます。

ポジショニングは、自分の整体院の立ち位置を決定することです。ポジショニングも、他院との差別化のために重要です。自分の整体院が慰安系なのか、それとも痛みを改善することに特化しているのか、どのような分野を得意にしているのかなど、初めに立ち位置を決めておくことが重要です。

そうしないと、「慰安系だと思って来たら全然気持ちよくなかった」とか、「痛みをとってほしかったのにマッサージと変わらなかった」といった不満を患者さんに与えかねません。

ただし、差別化が重要だからといって、施術法によって差別化することはあまりお勧めできません。よく整体院のホームページを見ていると「○○法」とか「○○式整体」といった文字を見かけますが、多くの患者さんにとってそのような情報はどうでも良いことだからです。

ブランディングやポジショニングに共通して言えることは、あなたの整体院に通うことで、どんなメリットが得られるのかを明確にするのが重要だということです。

自社の強みを生かす施術の技術力・知識レベルを上げて差別化する 

整体院に来られる多くの方は、何らかの不調や不満を抱えています。それを取り除くのが整体師の仕事なので、一定水準の技術力が求められます。理想は「どこに行っても治らなかった症状が、こちらの整体院に来たら改善された」と患者さんに言ってもらえることです。そのため、ある技術を身に付けたらそれで終わりではなく、いつまでも新しい技術を貪欲に学び続ける必要があります。

また、知識レベルを上げることも整体院の開業を失敗させないためには重要です。整体師には実にさまざまな知識が求められます。

病気や疾患に対する知識はもちろんのこと、一般常識や言葉遣い、説明力なども必要となります。整体院に来られる多くの方は、いきなり整体院に訪れるのではなく、事前に整形外科や病院を受診しているケースがほとんどです。

初診時に「病院で○○と言われました」と伺ったときに、その病名や疾患名を知らないと、患者さんの信頼を得るのが難しくなります。

逆に、その病名や疾患名について、病院や整形外科のお医者様より分かりやすく説明できれば、患者さんに安心感と信頼感を与えることができるでしょう。

LTVベースが最大となるように集客数×頻度×単価を常に改善する 

LTVとは、英語の「Life Time Value」の頭文字を取ったものです。日本語では顧客生涯価値などと説明されます。分かりやすく言うと、1人の患者さんが自分の整体院に、一定の期間にどれだけのお金を落としてくれるかということです。

売り上げという面からLTVを見た場合、【平均顧客単価×来院頻度×継続期間】がその患者さんのLTVとなります。この数値を高めていくことが、整体院運営の安定化につながります。つまり、売り上げを上げるためには顧客単価を上げる、来院頻度を上げる、継続期間を伸ばすことが重要となる訳です。

その際に重要となるのがCPA(Cost Per Acquisition)です。簡単に言うと、1人の患者さんを獲得するのに、どれくらいのコストを必要としたかという指標です。CPAが低ければ低いほど、いわゆるコスパが高いということになります。この指標は新規患者獲得の際だけでなく、リピーターを増やしていく際にも流用できます。

例えば、初めて来てくれた患者さんに対し、感謝メールやDMを発送したり、誕生日に優待券を贈ったり、季節ごとに挨拶状を出したりすることがあると思います。優待券を利用されると売り上げは当然減少するわけですが、それが来院頻度アップにつながるのであれば、長い目で見た場合、売上アップにつながるというわけです。

ただし、大義名分のないバラマキは整体院の価値を下げてしまいます。患者さんの誕生日や、整体院の「オープン〇周年記念」といった節目に、優待チケットなどを送付すると良いでしょう。

費用対効果が高い、継続率向上のための施策から取り組む 

LTVのところでも少し触れましたが、整体院の経営を安定させたいのであれば、費用対効果の高い施策をおこない、患者さんの継続率(リピート率)を上げていくことが重要です。せっかく来てくれた患者さんに対し、アフターフォローをしないのは本当に勿体ないです。初めての来院後には、必ず感謝メールやDMなど何らかのフォローを行い、その後も定期的に来院してもらえるような施策を行いましょう。

そのためには、問診表にメールアドレスを記入してもらうのがおすすめです。メールアドレスを収集することで、患者さん全員に対し一斉にお知らせメールを送ることが可能になります。

これほどコスパの良いアフターフォローは他に考えられないでしょう。また、患者さんの生年月日も記入してもらい、誕生日にはお祝いメールや優待チケットを贈るのもおすすめです。2020年現在、はがきであれば63円、定型封筒であれば84円で、日本全国どこへでも配達してくれます。

たったこれだけのコストで患者さんのリピート率をあげられるのであれば、コスパの良い集客方法だといえるでしょう。

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まとめ

整体院を開業し、安定した収入を得るためには、絶え間ない努力が求められます。新規患者さんが来なければ売り上げは右肩下がりとなりますし、リピーターが増えなければ売り上げは安定しません。整体院の開業に失敗しないためにも、今回の記事で紹介したことを参考に、新規患者さんを獲得し、既存患者さんのリピート率を上げ、売り上げを安定化させることが重要です。

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