整骨院や接骨院の開業・経営は儲かる?それとも厳しい?売上や年収を具体的に紹介します!

  • 6月 16, 2020
  • 9月 15, 2023
  • 経営

整骨院・整骨院は、柔道整復師が開業し経営する施設です。

柔道整復師になるには養成校に3年以上通学し、国家試験に合格しなければいけません。そこで当記事ではこれから柔道整復師を目指す方、柔道整復師の資格を取得したが整骨院・接骨院を開業するか悩んでいる方に向けて、経営して儲かるのかどうか詳しく紹介していきます。

整骨院や接骨院を開業・経営することは儲かる?

低周波治療器や施術用ベッドが並ぶ整骨院・整骨院の院内風景

結論から申し上げますと、整骨院・接骨院をうまく経営すれば儲けることができます。しかし、決して簡単なことではありません。

2000年頃までは誰でも利益が出しやすい職業でしたが、時代の変化とともに厳しくなっています。ここでは、整骨院・接骨院の業界はどのようなものなのか解説します。

実力次第で儲けることができる

どの業界でも同じことが言えますが、実力があれば多くの利益を出すことができます。しかしながら、経営する柔道整復師には高い能力が必要となります。

資格を取得して1〜3年の実務経験(取得年度で変動あり)で開業することができますが、数年の経験を積んだ程度では確固たる能力を得ることは難しいのでしょう。最低でも5年程度は技術を磨き開業した方が成功する確率は上がっていきます。

業界は廃業ラッシュで厳しい

整骨院・接骨院は柔道整復師の急増により施設数もかなり増加しています。

厚生労働省の「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、平成20年(2008年)は34839件だった施設数が令和2年(2020年)では50364件になり、約1.5倍以上増加しています。そのため、特に都市部では近隣の整骨院・接骨院同士で患者を取り合う形になるため、廃業ラッシュでとても厳しくなってきています。

このような過剰な競争の中では、簡単に利益を出すことは難しいでしょう。

儲かる仕組みを作るには

では、どのように儲かる仕組みを作ることができるのか具体的に紹介します。

自院の強みを明確化する

整骨院・接骨院で患者様の足を抱えて施術する柔道整復師

開業する上でとても大切なことは、自分が一番自信のあるものを明確化することです。その自信が自院の強みになり、患者さんへ良質な施術を提供でき、利益に繋がります。

と申しますのも、芯となる商売道具がないと自信を持って売ることができません。売れないと利益を出すことができないため廃業してしまいます。

これだけは誰にも負けないというものを見つけ、それを更に磨いて患者に提供すれば、おのずと儲かる仕組みを作ることができるでしょう。

しかし、人を騙すようなことはいけません。この施術をすれば必ず痩せると宣伝したり、長年の痛みが必ず治るという誇大広告をしたりして、医学的根拠もないものを提供してしまっている整骨院・接骨院が時折あります。

このような技術は一時期儲かったとしても長くは続きません。法的措置を受けることもありますので、絶対にやめましょう。

業務や施術の再現性を高める

儲かる仕組みを作ることで最も大切なのは「再現性」です。この人には効いて、この人には効かないような施術をしていては、いつまで経っても利益を出すことはできません。どのような人でも効果が発揮できるようにその方に最適な施術を提供していかなければ、『あそこの整骨院・接骨院に行っても治らない』という噂が広がり、人気院になることはできないのです。

また「施術以外の業務の再現性」も大切で、院長だけでなくスタッフも同じ対応を求められます。『院長に言った時はこうしてくれたのに、スタッフに同じこと言ったら違う対応をされた』となると不信感を抱かれてしまいます。

そうすると、整骨院・接骨院に対する不信感になり患者は離れてしまうのです。

業務・施術ともに再現性を高め、どんな時でも最高のものを提供することができれば、儲かることができるでしょう。

満足度を向上させリピートに繋げる

バインダーに挟んだ用紙について、患者様に説明している柔道整復師

当然ですが、患者のリピート率が高いと利益を出すことができます。そこで、自院の強みを明確化し、業務の再現性を高めることができると、おのずと満足度が向上しリピートに繋がるでしょう。

それ以外にリピートへ繋げる方法として、アフターフォローがあります。施術が終わった後、患者さんに対してどのように症状が改善しているかしっかり説明を行います。そうすることで施術の成果を感じられ、患者さんはまた来たいと思っていただけるため、リピート率の向上に繋がります。

整骨院・接骨院を経営する柔道整復師の売上と年収

骨模型を用いて患者様に対して説明をしている柔道整復師

最後に、実際に整骨院・接骨院を経営している柔道整復師の売上や年収を紹介していきます。

平均的な整骨院・接骨院の売上について

上記の通り、整骨院・接骨院は急増しているため、売上の平均が年々下がってきています。

日本柔道整復師会の広報誌によると、平成21年(2009年)に1761億円あった会員の年間療養費給付総額(健康保険の申請により給付される費用)が令和3年(2021年)で953億円まで下がっています。そして、施術所の件数が増えているため、1つの施術所当たりの給付額が下がり、平均で売上は年間500万円未満となっています。

これはあくまで保険施術によるものの平均売上ですので、そこから自費施術の売上を足した金額が総売上になります。

利益率や気になる年収は?

整骨院・接骨院の利益率はおおよそ30~40%となります。必要経費の中で、基本的にあまり材料費や仕入れ値は掛かりません。テーピングをしたり、腰痛ベルト・サポーター等の物品が売れたりしたら少し掛かります。

あとはテナントを借りるため、家賃・水道・電気代・ネット代等が必要になります。

よって利益率は約30〜40%となり、例えば年間で500万円の売上があったら経費などを引いて年収約200万円ということになります。保険施術のみの平均給付額が500万円だったので、自費施術の売上を合わせたとしても平均年収は約300万円程だと考えられます。

1人で経営した際の売上や儲けについて

街にあるほとんどの整骨院・接骨院は、柔道整復師が1人で経営しています。よって、上記で出した平均的な売上は、1人経営の整骨院・接骨院ですので、それが実情となります。しかし、これはあくまで平均ですので、1人で経営していても年収が高い柔道整復師もいます。

年収1,000万円になるには、なかなか1人経営では難しいです。1人で稼げる売上が限られてしまいますので、スタッフを雇用し多くの方に施術を提供すれば、年収1,000万円も夢ではないでしょう。

まとめ

近年、整骨院・接骨院を経営することは難しくなってきています。しかし、しっかりとした自院の強みを明確にし、業務・施術の再現性を高めることができればリピートに繋がり大きく利益を出すことができます。

今回、紹介した内容はあくまで平均ですので、自分自身の頑張り次第で年収を上げることが可能です。会社員と違って、経営している柔道整復師は自分で給料を決める形となります。頑張って利益が出たら、その分給料に反映されます。

会社で勤めて働くよりも、自分の力で稼ぎたいという方は柔道整復師になるのをお勧めします。

<参照元>
令和2年 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 厚生労働省
平成30年 衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 厚生労働省
日本柔道整復師会 広報誌バックナンバー 2014年4月号(13ページ)

日本柔道整復師会 広報誌バックナンバー 2023年4月号(14ページ)


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