接骨院や整骨院を開業する際に、安易に名前を決めてしまうと、集客や売上に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
名前は院の顔とも言える存在であり、インターネットやチラシ、DMを活用した集客効果に大きな影響を与えます。
本記事では、接骨院・整骨院の名前を決めるポイントを紹介します。集客に有利なネーミング方法を5つ紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
接骨院・整骨院の名前にこだわるメリット
接骨院・整骨院の名前にこだわるメリットとして、インターネットやチラシ、DMなどを活用した集客が有利になる点が挙げられます。他にも、機会損失を防いだり、患者さんの印象に残って紹介につなげられたりする利点も挙げられるので、整骨院や接骨院の名前にはぜひこだわることをおすすめします。
インターネット集客に有利になる
接骨院や整骨院の名前にこだわることで、インターネット上での集客が有利になります。たとえばSEOを意識して名前を決めると、検索結果の上位に表示されやすくなり、患者さんが見つけやすくなります。
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、Googleなどの検索結果に、特定のWebサイトを上位に表示させるための施策です。検索結果に上位表示されると、多くの検索ユーザーの目に止まるため、自院のホームページへの訪問数増加が期待できます。
また覚えやすくユニークな名前は、SNSや口コミでの拡散効果も期待できるため、インターネット上で多くの見込み客にアプローチできる点も魅力です。
チラシやダイレクトメールの集客効果が高くなる
印象的で覚えやすい名前は、チラシやダイレクトメールの集客効果を高めます。なぜならインパクトのある名前は、広告媒体での注目度アップが期待できるからです。
注目度がアップすると、整骨院や接骨院に興味を持つ人が増えるため、そのなかから実際に来院してくれる人の増加も期待できます。
機会損失を防げる
名前にこだわるメリットとして、機会損失の防止もあげられます。ビジネスでは、本来得るはずだった将来的な利益を失うことを「機会損失」と呼びます。
売上げを伸ばすためには機会損失を取りこぼさないことが重要です。とくに潜在顧客が他院に行ってしまわないようにすると、機会損失を防げます。潜在顧客とは、いまは整骨院に行く必要性を考えていない反面、「なにか調子が悪いときやケガをしたときに整骨院に行こう」と考えている顧客です。
名前にこだわると、他の接骨院や整骨院との差別化となり、潜在顧客にアピールできるため他院ではなく、自院を選んでもらえることが多くなるのです。
患者さんが他の院と混同することを防ぐためにも、一般的な名前ではなく、独自性のある名前を選ぶとよいでしょう。これにより潜在的な患者さんを逃すことなく、集客につなげられます。
患者さんの印象に残る
ユニークで覚えやすい名前は、患者さんの記憶に残りやすくなります。初めて訪れる患者さんにとって、名前が印象に残ると、次回の来院や他の人への紹介がしやすくなるのです。
また名前が患者さんの心に残ると、信頼感や親近感を持ってもらいやすくなり、安心して整骨院や接骨院に通ってもらえる点もメリットです。
接骨院・整骨院の名前の付け方5選
ここでは、整骨院・接骨院の名前の付け方について、次の5つを紹介します。
- 検索結果に上位表示されやすい名前にする
- 名前に地域名を含める
- わかりやすい名前を付ける
- 施術効果を暗示するような名前を付ける
- 代表の苗字を名前にする
検索結果に上位表示されやすい名前にする
インターネットでの集客を考えると、検索エンジン最適化(SEO)を意識した名前を付けることが重要です。たとえば、院名のなかに整骨院や接骨院がある地域名を含めると、その地域内で「地域名 整骨院」と検索した場合に、検索結果に上位表示される可能性があります。
「地域名 整骨院」で検索する人は、地域内で通院できる整骨院を探している可能性が高いため、来院してもらうことが期待できるのです。
名前に地域名を含める
先述したように整骨院や接骨院の名前のなかに地域名を含めると、SEO対策以外にも地元の患者さんに親近感を持ってもらえる点も魅力です。
たとえば「〇〇整骨院」(〇〇に地域名を入れる)と命名すると、地域密着型のサービスであることを地域住民にアピールできます。
わかりやすい名前を付ける
シンプルで覚えやすい名前を付けることもおすすめです。たとえば、「スマイル接骨院」や「リラックス整骨院」といった名前は、患者さんが親しみやすく、覚えやすい名前です。
複雑な名前や難しい漢字を避け、誰でもすぐに覚えられる名前を選ぶと、既存の患者さんが知人や友人、家族に整骨院を紹介する際にも便利です。
施術効果を暗示するような名前を付ける
施術効果を暗示するような名前を付けて集客に成功しているケースもあります。たとえば、次のような事例があるので、整骨院や接骨院の名前を考える際には参考にしてください。
- 大手のリラクゼーションチェーン店「リラクル」
- 出張リラクゼーションアプリ「Hogugu」
整骨院や接骨院の場合、あまり砕け過ぎた名前を付けると、患者さんに整骨院と認識してもらえない可能性があります。そのため以上のようなネーミング法は、整体院やリラクゼーションサロン、エステサロンなどを併設するときに活用するとよいでしょう。
代表の苗字を名前にする
代表の苗字を整骨院や接骨院の名前にするのは、昔から行われている一般的なネーミング法です。もっともオーソドックスで、分かりやすい方法なので、最終的にどのように名付ければよいかわからない場合は、自分の苗字を整骨院や接骨院の名前にしましょう。
ただし次のような場合は注意が必要です。
- 近くに同じ名前の施術所がある
- 名前の感じが難しい
- 他の読み方をすることが多いため、勘違いされやすい
以上のケースに当てはまる場合は、漢字ではなくひらがな表記にしてみるとよいでしょう。ひらがなは、漢字よりも患者さんに優しい印象を与えるメリットもあるため、漢字表記が難しい場合は検討してみてください。
接骨院・整骨院の名前が思いつかない場合の対策
接骨院や整骨院の名前が思いつかない場合は、クラウドソーシングサイトで名前を募集したり、生成AIを活用したりするのもおすすめです。
クラウドソーシングサイトで名前を募集する
接骨院や整骨院の名前が思いつかない場合、クラウドソーシングサイトを活用して名前を募集する方法があります。
クラウドソーシングサイトとは、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務を発注するためのサイトです。企業や個人が、特定のタスクやプロジェクトを外部の専門家やフリーランスに依頼すると、効率的に業務を進めることができます。
クラウドソーシングサイトを利用すると、多くの人からアイデアを募ることができ、ユニークで魅力的な名前を見つけられる可能性がある点も魅力です。たとえばクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトでコンペ形式で募集をかけると、さまざまな提案が集まります。さらに報酬を上げるに従い、質の高い提案が期待できます。
生成AIを活用する
費用を低く抑えたい場合は、生成AIを活用する方法もあります。生成AIを活用して名前を考える方法は、最近注目されているネーミング法です。
生成AIは、大量のデータをもとに新しいアイデアを生成できるため、独自性のある名前を見つけたい場合にもおすすめです。生成AIの利用率はChatGPTが最も高いですが、他にもさまざまな種類があります。
株式会社ICT総研の調査によると、ChatGPTの他にも「Microsft Copliot」や「Gemini(Google Bard)」などが活用されています。
▼生成AI利用サービス名
生成AIで整骨院や接骨院の名前を考える際には、AIに次の項目を伝えると名前の候補を複数回答してくれます。
- 名前をつける対象:整骨院もしくは、接骨院と記入
- 整骨院の特徴やコンセプト:ターゲットとなる顧客や得意とする症状、理念、施術方針、整骨院設立の背景などを記入
- 命名の条件:カタカナもしくはひらがな、文字数などを記入
生成AIで整骨院や接骨院の名前を考える際は、ぜひご活用ください。
接骨院・整骨院の名前を付ける際の注意点
接骨院・整骨院の名前を考える際には、使えない名前と今後使えなくなる可能性のある名前がある点に注意しましょう。
使えない名前
接骨院や整骨院の名前を付ける際には、法律や規制に従う必要があります。使えない名前の例を挙げると、次のとおりです。
医療機関と誤解される名前
例えば、「病院」や「クリニック」といった言葉を含む名前は避けるべきです。これらの言葉は、医療機関を示すため、接骨院や整骨院には適していません。
誤解を招く名前
例えば、「診療所」なども、医療行為を行う場所と誤解される可能性があるため、避けるべきです。
他の施設と混同される名前
既に存在する接骨院や整骨院と同じ名前や、非常に似ている名前は避けるべきです。これにより、患者が混乱する可能性があります。
今後使えなくなる可能性のある名前
現在、話し合いが進められている柔道整復師向けの広告ガイドラインでは、「整骨院」を広告不可表現に含めることが検討されています。
引用:これまでの議論を踏まえた広告ガイドライン(案)作成方針について|厚生労働省
2024年10月現在は、まだ広告ガイドラインが確定していないので、今後は「整骨院」の表現がどのように扱われるのか注視する必要があるでしょう。広告ガイドラインの話し合いについては、次の厚生労働省のサイトでも紹介されています。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会
整骨院・接骨院の名前を考えよう
今回は整骨院・接骨院の名前の決め方について解説しました。最もオーソドックスなネーミング方法は、整骨院の代表の苗字や地域名を整骨院・接骨院の名前に入れることです。
他にも、患者さんにアピールしたり、好印象を与えたりするために、さまざまな工夫を凝らしてネーミングしているケースもみられます。
自分では名前を思いつかない場合は、クラウドソーシングサイトや生成AIも利用するとよいでしょう。
施術所の名前次第で、患者さんに与える印象が変化して、紹介や集客に影響を与えることもあります。そのため、さまざまな方法を活用して自院にマッチした名前を検討してみてください。