【整骨院・接骨院】交通事故の施術は儲かるのか?制度や注意点をポイント解説

【整骨院・接骨院】交通事故の施術は儲かるのか?制度や注意点をポイント解説

  • 12月 31, 2020
  • 5月 17, 2024
  • 経営

交通事故のケガに対して自賠責保険を適用して施術をすると、健康保険を適用した場合よりも儲かるといわれています。また患者様も無料で自分のつらい症状を軽減できるため、自賠責保険の活用は整骨院と患者様の双方にとってメリットがあります。

そこで本記事では、整骨院や接骨院で交通事故の患者様を施術したら儲かるとされる理由や自賠責保険を適用して施術をする際に注意すべきポイントについて解説します。

整骨院・接骨院で交通事故の施術が儲かると言われる理由

整骨院や接骨院に交通事故の治療を受けに来る患者様は、自賠責保険を活用するケースが多いです。そのため交通事故で負傷した患者様に施術をすると、継続して通院してもらったり、施術単価が高かったりするため儲かりやすいといわれています。

交通事故の現場の様子

継続して通院してもらいやすいから

交通事故によるケガは、1回や2回の通院では痛みが取れないことが多いため、継続して通院してもらいやすいことが特徴です。

とくに交通事故によるむち打ちは、首の痛みだけではなく吐き気や頭痛などの症状を伴うことの多いケガ。症状が完全に回復するまで長期的なケアが必要なため、患者様の通院も長くなりがちです。

1991年6月1日~8月2日に各損害保険会社が交通事故によるむち打ちを受け付けた事例をもとに、治療期間ごとの治癒率をまとめると次のとおりです。

▼むち打ち損傷の治療期間

治療期間 治癒率
1ヵ月以内 39.8%
2ヵ月以内 57.1%
3ヵ月以内 71.1%
4ヵ月以内 80.0%
5ヵ月以内 85.7%
6ヵ月以内 90.3%

※「交通事故による いわゆる“むち打ち損傷”の治療期間は長いのか―損害賠償を含む心理社会的側面からの文献考証―|一般社団法人 JA共済総合研究所」をもとに作表

上記によると、3割近くの人が交通事故によるむち打ちが治るまでに3ヵ月以上かかることがわかります。むち打ちには長期的な治療を要するため、患者の通院回数が増える分、整骨院の収入にもつながりやすくなります。

また多くの場合、患者の治療費は自賠責保険で賄われるため、治療による負担がありません。経済的な負担を負わずに治療を受けられることも、通院してもらいやすい要因の1つです。

健康保険よりも施術単価が高いから

自賠責保険を適用すると、通常の柔道整復療養費よりも施術単価が高くなります。施術単価が高いと、整骨院の収入も上がるため儲かりやすいことになります。

しかし中には、交通事故のケガに対して保険を適用するように提案する保険会社も見られます。その提案を受け入れると、通常の保険施術と同じ料金で施術することになるのです。

そのような場合に、自賠責保険を適用して施術をするためには、自賠責保険と健康保険を適用した場合の施術の違いを説明する必要があります。

自賠責保険を適用した施術の方が保険を適用した施術よりも患者のメリットが大きいことを説明して、自賠責保険を使った施術を患者に選択してもらうことが大切です。

整骨院・接骨院で交通事故患者に対応する際のポイント

交通事故患者に対して施術を提供する様子

整骨院・接骨院で交通事故患者に対応する際のポイントは次のとおりです。

  • まずは整形外科を受診してもらう
  • 整形外科にも定期的に通院してもらう
  • 通院ペースは最低でも月に1回以上とする
  • 患者様に弁護士へ相談しているか質問する

それぞれについて解説します。

まずは整形外科・病院を受診してもらう

交通事故に遭った患者様が、はじめに接骨院や整骨院に相談してきたら、まずは整形外科もしくは病院を受診するように伝えましょう。

整形外科・病院でレントゲン撮影などの然るべき検査をしていただき、交通事故で障害を負っていないかどうか確認してもらうことが大切です。

さらに整骨院では医師の診断を受けられないため、後遺障害診断書を作成できない点も注意が必要です。

後遺障害診断書をもとに交通事故の賠償金額が決定されます。そのため患者さんに後遺障害が残った場合に、整形外科を受診していないと後遺障害診断書を書いてもらえず、賠償金を支払ってもらえない恐れがあります。

整形外科・病院を受診しないと患者様が大きなデメリットを負うことになるため、まずは受診するように勧めましょう。

整形外科にも定期的に通院してもらう

整形外科を受診したあとに整骨院に通うことになった場合、患者さんには最低月1回は整形外科も受診してもらうようにしましょう。

整形外科への受診が途切れると、患者さんに後遺症が残った場合に後遺障害認定を受けられず、損害賠償金の額が減ってしまう可能性があります。

ケガの状態がしっかりと回復に向かっていることを確認するためにも、整形外科への定期的な通院が大切です。

通院ペースは最低でも月に1回以上とする

整骨院への通院ペースは週3~4日が理想的といわれていますが、最低でも月1回は通院してもらうようにしましょう。通院間隔が1ヵ月以上空くと、保険会社から治ったと判断されて、保険の支払いを止められる可能性があります。

また治療間隔が開き過ぎると、交通事故によるケガが治らない可能性もあるため、患者様には適切な通院間隔をしっかりと示すことが大切です。

患者様に弁護士へ相談しているか質問する

患者様に弁護士へ相談しているか質問して、もし相談していなければ相談するようにすすめるとよいでしょう。

弁護士に相談すると慰謝料を増額できるケースがあります。法律に関する専門的なアドバイスも受けられるため、患者様も安心できる点もメリットです。

交通事故を接骨院や整骨院で扱う場合も、患者様に紹介できる弁護士がいると心強いのではないでしょうか。現在は、柔道整復師向けに交通事故セミナーを開催する弁護士も存在します。セミナーに参加して交通事故の扱い方について学んだり、弁護士と関係性を構築したりするのもおすすめです。

交通事故の患者様を施術する際の禁止事項

禁止を表すイラスト

交通事故の患者様を施術する際には、次の禁止事項を破らずに適切に対処するようにしましょう。

  • 架空請求をする
  • 保険会社に確認せずに高額な施術費を請求する
  • 医師の許可を得ていない患者様に施術をする

以上の禁止事項を行うと、逮捕されたり、保険会社や患者様とのトラブルになったりする恐れがあるため注意してください。

架空請求をする

患者様が来院していない日でも施術を行ったことにする行為は、架空請求にあたり違法行為になります。

架空請求は、患者側から持ちかけられることもあるため注意しましょう。自賠責保険では、通院日数に応じて患者側にも慰謝料が支払われる仕組みです。そのため通院日数が多いと患者側にも金銭的なメリットがあるため、通院したことにして日数を増やすように持ちかけられることがあるのです。

患者の希望により架空請求をした場合も、当然ながら法律違反として処罰の対象になるため通院日数を水増ししないようにしましょう。

保険会社に確認せずに高額な施術費を請求する

自賠責保険の施術は接骨院や整骨院においては自由診療に該当します。自由診療であるため、施術料金も自由に設定できると考えられがちですが、交通事故の治療費は相場が決まっている点に注意しましょう。

保険会社が自賠責保険の相場表を郵送してくることもあるため、相場を守って請求しましょう。保険会社に相談もなく相場を上回る金額を請求すると、トラブルに発展する可能性があります。

医師の許可を得ていない患者様に施術をする

患者様が整骨院で治療を受ける際に、医師の許可を得てなかったり、治療を受けること自体を反対されていたりすると、保険会社と支払いについてトラブルになる可能性があります。

たとえば保険会社が整骨院の治療の有効性について疑問を抱いた場合に、医師の許可を得ていないと治療費の支払いが打ち切られる可能性があります。

また整骨院への通院が考慮されず、患者様に支払われる慰謝料が減額されるケースもあるのです。

以上のようにさまざまなトラブルを抱えるリスクがあるため、患者様には医師の許可を受けて整骨院に通ってもらうことをおすすめします。

【接骨院・整骨院】交通事故の施術に関するまとめ

整骨院・接骨院が自賠責保険を適用して交通事故の患者を施術すると、施術費の全額が保険会社から支払われます。

患者も施術費を負担することなく治療を受けられるため、比較的通院してもらいやすく整骨院や接骨院の儲けにつながりやすい側面があります。

自賠責保険の治療費支払いや賠償金に関するトラブルを避けるためにも、整骨院だけではなく整形外科に通ってもらうことが大切です。

交通事故のケガに自賠責保険を適用する際の注意点を守りつつ、患者様のつらい症状をしっかり治療しましょう。

整骨院の売上を伸ばしたい場合は、新しいサービスを導入して自費メニューで施術単価を上げるのもおすすめです。たとえば健康志向の高い方に向けて、運動療法を主軸としたサービスを提供してはいかがでしょうか。これまでの治療を目的とした患者だけではなく、予防を目的とした顧客層の開拓も可能です。

次の資料では運動療法提案時に意識すべきポイントについて詳しく解説しているので、ぜひ無料でダウンロードしてご覧ください。

運動療法を活用した自費メニューの構築方法

【参考文献】

たかつき法律事務所 | 交通事故で整骨院に頻繁に通うことをおすすめできない理由
玉藻総合法律事務所 | 【交通事故】接骨院による不正請求
アトム法律事務所 | 交通事故の治療の流れ|整骨院と整形外科のどちらに通うのが正解?
価格.com | 自賠責保険とは?


治療院の患者満足度・再診率向上をサポート!
運動療法クラウドシステム


リハサクとは、理学療法士や柔道整復師がエビデンスに基づいた運動療法を動画または紙媒体で簡単に提供できるようにし、患者満足度・再診率向上をサポートするクラウドシステムです。

【整骨院・接骨院】リハサク導入のメリット

  • 最新のエビデンスに基づいた効果的な施術を提供
  • 患者満足度向上による再診率向上に寄与
  • 自費メニュー化することで保険に頼らない施設経営をサポート
  • 施設での運動療法を自動化し、売り上げ向上・人件費削減に寄与

Close Bitnami banner
Bitnami