これから整体師を目指すにあたって、次のような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか？
「整体師の収入はどれくらい？」
「整体師って儲かるの？」
昨今は健康ブームの影響もあり、年収1000万円を稼ぐ整体師も目立つようになりました。整体師として稼ぎたい場合は、独立を目指すとよいでしょう。一方で安定を求める場合は、正社員として働く方法も考えられます。
当記事では、整体師の収入はどれくらいなのか、また雇われと独立開業した整体師の収入の違いについて解説します。
整体師の収入構成について
整体師の主な収入構成は次のとおりです。
- 基本給
- 歩合給
- 各種手当
- 賞与（ボーナス）
- 残業代
以上の要素で収入が構成されますが、どれが収入に反映されるかは職場によって異なります。
たとえば基本給に加えて各種手当を付けてもらえる職場で働くと、医療系国家資格を取得している場合に収入アップが期待できます。整体師として手当が期待できる医療系国家資格とは、柔道整復師や理学療法士、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などです。
その他にも、アスレチックトレーナーやアロマセラピストなどの民間資格でも手当がつくこともあります。具体的な手当の金額は、1つの資格につき1～2万円ほどが相場です。
また整体院によっては賞与が支給される場合もあります。歩合給を導入している店舗では、利用者からの指名が多いと給与が上がるケースがあります。
整体師の平均的な収入
ここでは整体師の平均的な収入について、アルバイトと正社員、店長、独立開業に分けて解説します。
アルバイトとして働く整体師
アルバイトで働く整体師の収入は、時給1,000～1,200円ほどが相場です。
ただし最近では、高いスキルを持った整体師に時給1,500円以上を支払う整体院も増えています。店舗や地域によっては、アルバイトでも多くの給与を得られる可能性があります。
もちろん、アルバイトとして働く整体師でも有資格者は優遇される傾向にあるため、資格を取得すると収入を上げやすくなるでしょう。
正社員として働く新人の整体師
正社員として働く新人整体師の場合、月収は15～20万円程度になることが多いです。ただし、整体の専門学校を卒業していると、月収20万円超えからスタートすることもあります。
さらに、資格の保有数に応じて受けられる手当ても増えるため、初任給から月収25万円を超えるケースもあります。
正社員として働く店長クラスの整体師
店長クラスになった場合は、年収350～400万円が相場でそれ以上になることもあります。
また、店長にも歩合給が発生するので、所属する店舗が繁盛すると、年収500～600万円以上も期待できます。
整体院を開業し経営する整体師
独立した場合は、収入が個人のスキルや経営力に左右されるため、年収の幅は大きく変動します。経営に成功すれば年収1,000万円以上になることもあるでしょう。
ただし、独立して整体師を営む場合は、成功しているか否かで収入に大きな差が生じます。そのため収入を安定させたい場合は、雇われ整体師として店長クラスを目指すことをおすすめします。
整体師としての収入を上げるためには
整体師として収入を上げるためには、次の3点を意識しましょう。
- 資格を持つこと
- 歩合給の割合を上げること
- 独立開業すること
各項目について解説します。
資格を持つ
整体師の収入アップにつながる資格は次の通りです。
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- 鍼灸師
- 理学療法士
- 作業療法士
以上の国家資格を有していると手当がついて無資格の整体師よりも収入アップが期待できます。
他にもカイロプラクティックやオステオパシー、アスレティックトレーナー、リフレクソロジーの経験者は優遇される場合もあります。資格ごとに、基本給に差が付けられていることもあるのです。
【資格ごとの基本給（具体例）】
- 柔道整復師・鍼灸師・理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師：最低280,000円～
- アスレティックトレーナー：最低230,000円～
- 整体師：最低210,000円～
歩合給の割合を上げる
整体師の収入アップにつながりやすい要素の1つとして、歩合が挙げられます。歩合給は1回の施術ごとの報酬が決められていて、施術回数ごとに収入が決まる仕組みです。たとえば1回60分の施術で歩合2,000円の場合、1日5人を施術すると1日の収入は1万円です。
また歩合給にも、完全歩合給と基本給と歩合の合計の2パターンがあります。完全歩合給の場合は、業務委託契約で働くケースが多いです。基本給以外の福利厚生や雇用保険も付かずに収入が不安定な反面、歩合の金額が高くなる傾向にあります。さらにシフトへの比較的融通が効きやすく自由に働ける点が魅力です。
一方で基本給と歩合の合計で収入が決まる場合は、正社員として雇ってもらい基本給に歩合が上乗せされるパターンが一般的です。歩合給の金額が少なくなる反面、基本給や福利厚生、社会保険などがつくので安定した収入になりやすいメリットがあります。
独立開業までは考えていない場合、今よりも収入を増やしたり、自由に働いたりしたい場合は、完全歩合給で働くのも1つの手段です。
独立開業する
整体師として大きく収入を向上させたいのであれば、独立開業を視野に入れるとよいでしょう。
独立開業して成功するには施術スキルも大事ですが、それだけで成功できる方は一握り。成功するためには、経営スキルやマーケティングについて学ぶことが大切です。
経営やマーケティングを学習するためには、次の方法が考えられます。
- 書籍を読む
- YouTubeで学ぶ
- 整体師向けのセミナーに参加する
- 経営者向けのコミュニティに参加する
以上の方法で学ぶと、まずは知識が身につきます。知識を身に着けたら、リスクの低いやり方で独立開業してみましょう。
実際に独立開業してみよう
リスクを抑えた独立開業のやり方として、レンタルサロンを活用して副業で開業する方法が考えられます。
本業が休みの日にレンタルサロンを借りて、週に1～2日程度サロンを運営するのです。レンタルサロンには施術ベッドが設置されているため、簡単に開業できます。
雇われて働く場合とは異なり、集客を自分でする必要があります。さらにサロンの利用料を支払う必要があるため、売上から経費を差し引いた金額が収入になるという経営者の感覚も身につきます。集客から施術、経理という独立開業後には欠かせない業務を小リスクで体験できるのです。
そしてレンタルサロンで固定客がついたら、改めて店舗を借りて完全に独立開業すると失敗のリスクを抑えられるでしょう。次の記事では整体師として独立開業する手順を解説しています。「これから、独立開業しよう！」と思った場合は参考にしてください。
参考：整体院経営を成功させる秘訣とは？儲かる仕組みづくりや効率化について解説！
整体院を1人で開業した場合の収入をシュミレーション
整体院で1人で開業した場合に、年収1000万円を稼ぐ方法についてシミュレーションしてみましょう。1人で独立開業をすると、次のような経費がかかります。
▼1人で整体院を開業した場合にかかる月の経費
| 経費 | 月額 |
| 消耗品費 | 1万円 |
| 地代家賃（テナント料と駐車場代） | 13万円 |
| 宣伝広告費 | 8万円 |
| 水道光熱費 | 1.5万円 |
| 通信費 | 1万円 |
| 合計 | 24.5万円 |
開業のやり方で経費は大きく異なりますが、実際に1人で整体院を開業した場合の一例として参考にしてください。
売上から以上の経費を差し引くと、1人で独立開業した整体師の年収になります。まずは、年間の経費を計算すると次のとおりです。
【年間経費】
24.5万円×12か月=294万円
以上の経費で整体院を営んだ場合、年収1000万円になるためには1年間で年間売上を1294万円以上にする必要があります。では次に、年間売上1294万円を達成するために必要な月の売上を計算してみましょう。
【年収1000万円の達成に必要な月の売上】
1294万円÷12か月=約108万円
月間売上108万円を稼げると年収1000万円を達成できます。さらに月間売上108万円の達成に必要な施術単価について、次の条件で営業した場合を想定して計算してみましょう。
【1人で整体院を開業した場合の営業内容】
- 月の営業日数：20日（週休2日）
- 1日の営業時間：8時間（9時～18時で休憩1時間）
- 1人の施術時間：1時間（施術時間45分、顧客対応15分）
- 1日に対応可能な顧客数：6人（稼働率8割）
以上の条件で年収1000万円の達成に必要な施術単価を計算すると次のとおりです。
【年収1000万円を達成するための施術単価】
108万円÷（20日×6人）＝9000円
以上から施術単価を9000円に設定すると、年収1000万円も達成可能であることがわかります。逆に1人で整体院を経営する場合、施術単価を低く設定すると年収が低くなり、稼ぐために独立開業をした人は不満が残るかもしれません。先ほどの条件で施術単価を3000円にして年収を計算すると次のとおりです。
【施術単価3000円の年収】
3000円×（20日×6人）=36万円
36万円×12か月=年間売上432万円
432万円-294万円（年間経費）=年収138万円
年収138万円だと月の収入が11万円程度になるので、生活が成り立ちません。整体院で独立開業をして稼ぎたい場合は、施術単価を高めに設定することも大切です。
とはいえ整体院を独立開業をして間もないころは、施術単価を高く設定する自信がない方も多いのではないでしょうか。そのような場合は、施術に付加価値をつけるのも1つの手段です。
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整体師の収入は実力次第
以上、整体師の収入の相場と、収入の上げ方に関して、わかりやすく説明しました。
整体師として収入を上げるための最大のポイントは、独立するか否かですが、結果的に収入が低下したら元も子もありません。
そこで、まずはご自身が経営者向きかを入念に考え、向いているとのことでしたら施術スキルとともに経営に関する知識を広げていくとよいでしょう。
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