柔道整復師が受ける施術管理者研修の概要や要件について

2018年の4月1日から、新たに施術管理者(管理柔道整復師)になるための要件として、施術管理者研修を受講することが義務付けられるようになりました。

そこで、今回は施術管理者研修の受講が必要な方や申し込み方法などについて解説します。

柔道整復師の施術管理者研修とは?

柔道整復師の施術管理者研修とは、一言でいうと施術管理者(管理柔道整復師)になるための研修です。

整骨院では受領委任という特殊な制度を介して療養費の申請をおこないますが、これらが施術管理者によって適切に行われるために、新たに研修制度が設けられました。

また、施術管理者研修は単に適切な療養費の請求について施術管理者に周知・徹底させるためだけでなく、柔道整復師のすべてが質の高い施術を提供できるようにすることも目的とされています。

つまり、施術管理者は整骨院を代表して療養費の請求をおこなうだけでなく、すべての柔道整復師(スタッフ)によってレベルの高い施術を提供できるよう、管理・指導する立場にあります。

【柔道整復師】施術管理者研修の受講が必要な方とは?

柔道整復師は3年間の専門教育を経て、柔道整復師国家試験に合格すると資格を得ることができます。ただ、柔道整復師と施術管理者(管理柔道整復師)は別物です。ここでは、施術管理者研修を受講すべき柔道整復師についてご紹介していきます。

独立開業に向けて準備を進めている方

施術管理者研修の受講が必要な柔道整復師としては、これから独立開業すべく準備している柔道整復師があげられます。整骨院や接骨院では健康保険を使って施術が受けられるため、保険適用の施術を行う場合、患者様負担額は全体の1割から3割程度となります。

残りの7割から9割は健康保険組合が負担するわけですが、それを請求するためには柔道整復師としての資格を保有しているだけでなく、施術管理者として認定されている必要があります。

勤務先の施術管理者として働く方

独立開業以外に勤務先の施術管理者として働く場合も、基本的には同研修を受講する必要があります。ただし、複数の柔道整復師がいる整骨院の場合、必ずしも全員が施術管理者になる必要はありません。

保険請求をおこなう柔道整復師のみが施術管理者研修を受講していれば問題ありませんので、各勤務先の経営者の指示に従い、適宜受講することをおすすめいたします。

また、2018年の4月以前にすでに施術管理者になっていたとしても、新たに申請する場合には、改めて施術管理者研修を受講する必要がありますので注意するようにしましょう。

施術管理者になるために必要な要件

整骨院を代表して保険請求をおこなう柔道整復師は、施術管理者としての資格を取得する必要があるということでしたが、施術管理者になるための要件を紹介します。

施術管理者研修の受講

施術管理者になるためには公益財団法人である柔道整復研修試験財団によって行われている、施術管理者研修を受講することが欠かせません。

かつては柔道整復師の資格を持って入れば、施術管理者を目指すことができましたが、昨今の医療費増加や不正請求、施術者の質の低下などを鑑み、要件が厳格されたという経緯があります。

一定期間の実務経験を積み、施術管理者研修を受講することで施術管理者になることができます。

研修受講に必要な実務経験

施術管理者になるためには、ある程度の実務経験を積んでおくことが求められます。どれくらいの期間の実務経験が求められるのかは、タイミングによって異なります。

届出日 必要な実務経験
2018年4月〜2022年3月 1年間の実務経験
2022年4月〜2024年3月 2年間の実務経験
2024年4月〜 3年間の実務経験

施術管理者研修の受講申し込み方法

施術管理者研修はとても人気となっているため、募集を開始してから10分程度で定員オーバーになってしまうことも珍しくありません。そのため、受講申し込み方法を熟知し、速やかに申し込みできる態勢を整えておくことが重要です。

施術管理者研修は柔道整復研修試験財団のホームページから申し込むことができるので、あらかじめ申し込みフォームについて確認しておくことをおすすめします。

受講お申し込みには、受講者の生年月日、メールアドレス、住所、電話番号、柔道整復師免許登録番号などが必要になります。スムーズにお申し込みを完了させるためにも、事前に準備しておくようにしましょう。

申し込みに必要な書類

施術管理者研修へ申し込む際に必要な書類は、柔道整復師の立場によって異なります。

  1. 施術管理者研修制度を導入した際の特例対象者であり、地方厚生局へ施術管理者研修の修了証の写しを後日提出する旨を確約しており、かつ、受領委任の承諾されている柔道整復師。また、新型コロナウイルス研修を受講できず、受領委任の届出、および申し出ができていない柔道整復師
  2. 保険所に整骨院の開設届を提出済みだが、取り扱いはまだおこなっていない柔道整復師
  3. すでに開業準備をおこなっている柔道整復師(設備や機材の購入、不動産の売買、賃貸のいずれかをおこなっていることが要件)
  4. 整骨院における現在の施術管理者が6ヶ月以内に退職予定であるため、新たに院内の柔道整復師、または外部からの柔道整復師を施術管理者とする予定がある場合など

施術管理者研修に対する特例対象者であり、受領委任の届出および承諾を受けており、なおかつ施術管理者研修修了証の写しを地方厚生局へ後日提出する柔道整復師の場合、施術管理者研修へ申し込む際、「受領委任の取り扱いの登録または承諾について」の写しが必要となります。

新型コロナウイルスの影響で2020年の3月から6月に受けるはずであった研修が受けられず、なおかつ受領委任の届け出ができていない柔道整復師の場合、特に必要な書類はありません。

受領委任の取り扱いはまだおこなっていないものの、保険所に整骨院の開設届を提出済みの柔道整復師の場合、「保険所に提出した施術所開設届」の写しが必要となります。また、実際に実務経験がある柔道整復師の場合、「実務経験期間」の写しが必要となります。

すでに開業準備をおこなっている柔道整復師の場合、「不動産売買契約書」の写しや「賃貸借契約書」の写し、または「機材を購入した際の領収書」の写しなどが必要となります。実務経験がある場合には、やはり実務経験期間証明書の写しも必要です。

現在の施術管理者が6ヶ月以内に退職予定であり、新たな施術管理者を選定する場合、「退職者の退職届」の写し、「施術所開設届」の写し、「開設者または法人代表者の申立書」の写しなどが必要となります。

受講費用

施術管理者研修を受講するための費用は一律で20,000円となっています。

申し込みが受理されると振込手続きの案内が届きますので、期日までに入金することで申し込み手続きが完了します。

施術管理者研修の概要 

施術管理者研修の概要は以下の通りです。

施術管理者研修の期間

施術管理者研修の実施期間は、土日、および祝日を利用した連続する2日間で16時間となっています。2020年度の研修は10月以降、オンラインで開催される予定となっています(7月から9月の研修は新型コロナウイルスの影響で中止)。オンラインで参加できない方の場合、会場でも研修が受けられる予定です。

2021年の1月から3月までの開催予定は以下のサイトでご覧ください。ちなみに、いずれも2020年7月現在、オンラインでの受付は準備中となっているのでご注意ください。

施術管理者研修の内容

施術管理者研修の1日目には、主に職業倫理や保険請求について学びます。職業倫理の研修では、医療関係者および社会人としてのマナー、患者様との接し方、法令順守(コンプライアンス)などについて講義がおこなわれます。

保険請求に関する研修では、保険請求の対象となる療養費申請書の作成法、施術録の作成法、および不正請求の事例などについて講義がおこなわれます。その他、整骨院で勤務するスタッフへの指導法や、広告表現の規制などについても学びます。

施術管理者研修の2日目には、安全な臨床および施術所管理について学びます。安全な臨床に関する研修では、柔道整復術の適用の判断や正確な施術について、また、患者様の状況の的確な判断や鑑別について学びます。

適切な施術所管理の研修では、施術中の事故発生時の対応や医療事故・過誤の防止法、医療機関との連携などについて学びます。また、救急救命や応急処置、患者への指導などについても講義がおこなわれます。

2020年から優先度に合わせて受講者を決定

先ほど述べたように、柔道整復師の増加にともない、施術管理者研修のお申し込みも増加しています。そのため、2020年から優先度に合わせて受講者が決定されるようになりました。
もっとも優先度の高いのが、施術管理者研修に対する特例対象者であり、受領委任の届出・承諾を受けており、なおかつ施術管理者研修修了証の写しを地方厚生局へ後日提出する柔道整復師、および新型コロナウイルスの影響で2020年の3月から6月に受けるはずであった研修が受けられず、なおかつ受領委任の届け出ができていない柔道整復師です。

次に優先されるのが、受領委任の取り扱いはまだおこなっていないものの、保険所に整骨院の開設届を提出済みの柔道整復師であり、以下、すでに開業準備をおこなっている柔道整復師、現在の施術管理者が6ヶ月以内に退職予定であり、新たに施術管理者として申請する場合と続きます。

まとめ

柔道整復師の増加にともない、施術管理者になることを希望される柔道整復師の数も増えています。また、2020年には新型コロナウイルスの影響もあり、さらに競争率が高くなると予想されています。

柔道整復師として正しく療養費を請求することはもちろんのこと、安全かつ効果的な施術を後輩スタッフに指導できるよう、施術管理者研修を受けてみるとよいでしょう。

<参照元>

https://www.zenjukyo.gr.jp/news/jusei-kanrisha-kenshu/#i-3

https://www.zaijusei.com/training_oparation.html

https://www.zaijusei.com/training_oparation_2020.html

https://www.zenjukyo.gr.jp/news/2020kanrisha_entry/#i

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