柔道整復師はスポーツトレーナー?〜両者の違いを徹底解説〜

近年の健康志向やスポーツブームにより、スポーツトレーナーの需要が高まっています。

スポーツトレーナーの関連職業として、柔道整復師の資格がありますが、両者の違いが分からない方が多いです。

当記事では、スポーツトレーナーと柔道整復師の違いを徹底解説しつつ、スポーツトレーナーについて詳しく紹介します。

最後までお付き合いください。

柔道整復師はスポーツトレーナーではないが、なる事はできる

結論として、柔道整復師はスポーツトレーナーではありません。しかし、柔道整復師の資格を持っていながらスポーツトレーナーになる方もいますし、スポーツトレーナーが柔道整復師を目指す方もいます。

一体どういう事なのか、以下で詳しく解説します。

実はスポーツトレーナーに資格は不要

正直なところ、スポーツトレーナーに資格は不要で、すぐにでもスポーツトレーナーと名乗ることができます。

スポーツトレーナーは、医療系国家資格のように名称独占がありませんので、誰が名乗っても違法ではありません。

しかし、専門知識を持っていない方がスポーツトレーナーと名乗ったところで何もできないでしょう。

そのため、スポーツトレーナーのことが学べる専門学校に通う方が多いです。専門知識を習得し、何かしら資格を取得してスポーツトレーナーの仕事をしています。

資格は持っておいた方が良い

スポーツトレーナーの関連資格を持っておくと、さまざまな優位性があります。

一つ目は、資格を取得するため専門知識を身につけているので、スポーツ選手に対して大変役に立つ施術やアドバイスができるでしょう。

二つ目は、資格を持っていることで信頼性が上がり、就職しやすかったり資格手当があったりします。

両者の大きな違い

柔道整復師とスポーツトレーナーの大きな違いは、国家資格かどうかです。柔道整復師は養成学校に3年以上通学し、国家試験に合格すればなることができます。

一方、スポーツトレーナーは資格はあるものの国家資格ではなく民間資格で、勉強が上手な方は養成学校に通わなくても、試験に合格できる可能性があるでしょう。

また、職業内容にも大きな違いがあり、柔道整復師はケガに対して施術を行う専門家で、スポーツトレーナーは選手のトレーニングやコンディショニングをサポートする専門家です。

両者には大きな違いがありますが、柔道整復師は骨・筋肉・ケガのスペシャリストなため、スポーツトレーナーの現場においても大いに役立ちます。

柔道整復師がなれるスポーツトレーナーの種類

では、柔道整復師はどのようなスポーツトレーナーになれるのでしょうか。スポーツトレーナーには、さまざまな種類がありますので紹介していきます。

トレーニング施設で指導する様子

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーは、アスリートがスポーツ現場で負ったケガに対応する仕事です。

ケガの容体と程度の評価を行い、脱臼や骨折の応急処置をしたり、必要に応じて救急車を呼ぶなど判断して対応するのが得意な資格です。

また、ケガの病状を医師に伝達したり、診断結果をアスリートに説明したりするなど、医師とアスリートの間のパイプ役も務めなければなりません。

迅速な判断と的確な対応が要求されるため、専門的な知識と経験が必要でしょう。

現場での応急処置だけでなく、施術後の療養から復帰までのサポート、ケガの予防についての指導も重要な仕事です。

柔道整復師の資格があれば、アスレチックトレーナーの仕事の力になるでしょう。

最近では、柔道整復師とアスレティックトレーナーの資格を、同時取得できる大学や専門学校がありますので、一緒に取得することをオススメします。

メディカルトレーナー

メディカルトレーナーとは、ケガを負った選手の早期復帰をサポートするスポーツトレーナーで、仕事の内容から「リハビリトレーナー」と呼ばれることもあります。

メディカルトレーナーの活動の場は医療機関で、アスレティックトレーナーのようにスポーツ現場ではありません。

ケガの施術後、医師や理学療法士と連携してリハビリのプランを作成し指導を行います。リハビリ後のマッサージや、ストレッチも仕事に含まれます。

併せて施術に支障の出ない範囲で、ケガを負った部位以外の筋力トレーニングの指導も行うことも。

ケガ人以外にも、高齢者の身体機能回復のためのリハビリに関わることも多く、柔道整復師との親和性が高いスポーツトレーナーです。

コンディショニングトレーナー

コンディショニングトレーナーとは、運動前後の体調管理や調整を行うスポーツトレーナーです。

練習や試合前にアスリートの体調を整え、最も良いコンディションで競技に臨めるようサポートしたり、競技後にはクールダウンやメンテナンスのサポートをしたりします。

アスリートの能力を分析し、心肺能力の向上や筋力強化メニューの作成など、トレーニングの指導全般の仕事をすることも。

また、アスリートが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、生活習慣や食事のアドバイス、メンタル面でのケアなども業務の一環です。

フィットネストレーナー

フィットネストレーナーとは、スポーツジムやフィットネスクラブなどの施設において、利用者に運動の指導を行うスポーツトレーナーです。

利用者の目的・年齢・性別・体形によって、それぞれに合わせたトレーニングプログラムの作成と指導をしなければいけません。

所属する施設によっては、栄養士・管理栄養士と連携して食事指導も行います。

近年のパーソナルジムの流行にともない、フィットネストレーナーの需要が高まっており、経験を積んだトレーナーが独立することも多いです。

ストレングストレーナー

ストレングストレーナーとは、スポーツを行う選手に対し身体機能や筋力の強化の指導を行うスポーツトレーナーです。

一般向けに指導を行うフィットネストレーナーに対し、ストレングストレーナーの対象はプロアスリートや実業団の選手になります。

アスリートが成果を発揮するために必要な能力は、競技種目によって大きく異なるため、競技に対する理解や専門知識が欠かせません。

プロのスポーツチームに所属する以外に、トップアスリート個人の専属として活躍するストレングストレーナーもいます。

柔道整復師の資格があれば、トレーニングメニューの考案と指導とともに、ケガに対する施術や予防についてもアドバイスができるため、非常に重宝されるでしょう。

柔道整復師がスポーツトレーナーをするために必要な資格

では、柔道整復師がスポーツトレーナーをするために、どのような資格があれば有効なのか紹介していきます。

トレーナーが体の状態を検査する様子

公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)

公益財団法人 日本スポーツ協会(旧名:日本体育協会)が認定するメディカル・コンディショニング資格です。

トレーニングに関する知識だけではなく、スポーツドクターや栄養学に関する知識を取得することができます。

日本スポーツ協会が主催する講習を受講し、知識確認テスト・理論試験・実技試験の3つの試験を受験し合格しなければいけません。

知識確認テストは6割以上の正答が求められ、理論試験と実技試験は両方の結果について総合的に判断し、合格することで認定を得られます。

講習を受講するには、日本スポーツ協会もしくは加盟団体からの推薦が必要です。

認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)

柔道整復師の団体である公益財団法人・柔道整復研修試験財団を母体として設立された、特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する資格です。

スポーツ現場における外傷処置や予防について、トレーナー知識と医療の双方からアプローチできる点が特徴です。

しかしながら、取得するには柔道整復研修試験財団の正会員でなければいけません。

正会員になるには柔道整復研修試験財団が主催する講習会、もしくは通信教育講座を受講して単位を取得し、かつ柔道整復師や理学療法士などの国家資格、もしくは定められた関連の民間資格を有していることが条件です。

上記の条件を満たしたうえで、柔道整復研修試験財団の正会員として認定されることにより、認定アスレチック・トレーナーの資格を有することができます。

柔道整復師×スポーツトレーナーの就職先

選手の前でトレーニングを教える様子

上記の通り、柔道整復師の資格を持ちながらスポーツトレーナーとして活躍できる場は沢山あります。

チームに所属してアスレチックトレーナーになったり、スポーツ整形外科に就職してメディカルトレーナーになったり、スポーツジムに入職しフィットネストレーナーになったりすることができます。

スポーツトレーナーとして就職した場合、柔道整復師の資格を持っていると年収がアップする可能性があるでしょう。

特にスポーツジムやパーソナルジムで勤務する際は、あまり資格を持っていない方もいるので柔道整復師の資格があると有利です。

場合によっては、資格手当を給付してくれる就職先もあります。

まとめ

スポーツトレーナーの中で、柔道整復師の資格を持っている方は多いです。やはり、筋肉・骨の知識だけでなく、ケガの専門知識があるとスポーツ現場において大変役に立ちます。

柔道整復師としての専門知識は、スポーツトレーナーになると大きな武器となるでしょう。

しかしながら、チームのスポーツトレーナーとして就職することは非常に難しく、アマチュアのチームだと対価がない場合も多いです。

特に実業団やトップレベルになると、さらに就職は難しくなります。経験と実績がなければ就職の話さえ入ってきません。

チームに所属してスポーツトレーナーをしたい方は、この厳しい現状をしっかりと受け止め、経験と実績を積み夢を叶えられるよう頑張ってください。

当記事が、皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。


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