理学療法士の給料について〜年収1000万円は可能か?〜

理学療法士の給料について〜年収1000万円は可能か?〜

今回は理学療法士を取り巻く環境や給料の実情をご紹介しつつ、働きながら年収アップを目指す方法についても具体的な例を挙げながら解説していきます。

理学療法士の平均年収は?

まずは理学療法士の平均年収について解説していきます。

平均年収は400万円程度

政府の統計を一覧で見ることができるポータルサイト・e-statによると、2019年の理学療法士の平均月収はおよそ28.7万円、ボーナス2回分と給与以外の支払いが64.6万円とあります。28.7万円×12ヶ月+64.6万円=409万円となるので、理学療法士の年収はおおよそ400万円程度と言えるでしょう。また、国税庁の民間給与実態調査によると、同年度における日本人の平均年収は436万円でした。

年収は年齢や職種によって大きなばらつきがあるため一概に比較はできませんが、データで見る限り、理学療法士の年収は国の平均かそれよりやや少ないくらいと言えるでしょう。

若手が多いため安く見える

一方で理学療法士は平均年齢が若いため、年収が安く見えている場合もあります。

上記と同じe-statによれば、理学療法士の平均年齢は33.3歳。看護師(39.5歳)や歯科技工士(38.6歳)と、他の医療職と比べるとわずかに若いことがわかります。また、介護職のケアマネジャーにいたっては平均年齢が49.9歳と、理学療法士よりも平均年齢が大幅に上回っていることに。

それぞれの病院の給与体系や働き方によっても給料は変わってきますが、これらのデータを見てもわかる通り、理学療法士の年収の安さには平均年齢の低さが関係していると言えるでしょう。

景気には左右されにくい

理学療法士は景気に左右されにくい点があり、安定して収入が得られるのもポイントです。

基本的に医療分野は人間の暮らしに密接に関わるため、金融危機や災害など非常時にも景気は崩れず、安定感の強い業界です。

【理学療法士として年収1000万】昇進や資格を取得して稼ぐ

それでは次に、理学療法士として年収1000万円を得る方法について解説していきます。 

昇進を目指す

理学療法士として年収を上げるためには、現職で昇進を目指すのが最も一般的でしょう。

管理職など現在よりも上の地位につけば、役職手当などオプションの手当てが増えることにより給与は上がります

しかしながら、理学療法士として昇進するためには、理学療法の技術だけでなく従業員のマネジメント能力も必要となります。そこで、昇進するためには将来的に、どういったマネジメント能力が必要なのか、そして自分には何が足りないのかを常日頃から考えて行動することが大切です。

理学療法士以外の資格を取得する

理学療法士一本で稼ぐことが難しい場合、並行して近いジャンルの資格を取得することで、自分がこなせる仕事の幅を広げることもできます

たとえば柔道整復師は分野も近く、また理学療法士と違って開業権や一部の症状に対して医師の指示なく施術ができるのも魅力的です。

鍼灸師も同様で、介護・スポーツ業界だけでなくエステサロンなど美容業界でも重宝される資格です。

ただし、柔道整復師や鍼灸師も養成学校での勉強や試験の合格が必須条件です。自分の時間的・金銭的余裕と照らし合わせながら検討する必要があります。

【理学療法士として年収1000万】副業で稼ぐ

次は、副業でプラスアルファの収入を得る方法について紹介します。

副業を始める前に、まずは現在勤めている病院や会社が副業を許可しているか確認しましょう。また、体力や時間に負担がかかり、現職に悪影響になってしまう副業は控えることをオススメします。

副業で収入を得る場合、あくまで本職は理学療法士。本業に支障が出ないよう気を付けていきましょう。

ライター・記事監修などウェブ関連の副業

フリーランスのウェブライターは、パソコンとネット環境があれば気軽にスタートしやすい副業の一つです。理学療法士の分野を選べば本職の知識も活かせるので一石二鳥と言えるでしょう。

スポーツトレーナーとして個人で契約をもらう

理学療法士としてのノウハウが十分にあるなら、個人契約のスポーツトレーナーとして働くのも良いでしょう。主な仕事内容は、選手のリハビリやケガ予防・パフォーマンス向上を目的とした指導などです。

理学療法の知識が活かせることはもちろん、指導メニューや報酬をある程度自由に決められるところもポイントです。また、今後独立を考えている方なら、個人で収入を得るためのよい練習にもなります。

最初のうちはなかなかクライアントが見つからないかもしれませんが、プロの選手にこだわらず地元や企業のスポーツチームに声を掛けてみるのも良いでしょう。信頼関係を構築できればさらにコネクションが広がる可能性もあります。

セミナーを開催する

その他にも自身の得意領域に関するセミナーを開催する方法もあります。昔と比べ、最近ではオンラインでのセミナーも一般的なため、開催するハードルもさほど高くありません。

また、オンラインセミナーですと夜に開催するなど、現職を休むことなく時間を有意義に使えるでしょう。

あわせて、現在ではセミナーの講師を探している企業も多数存在します。その他、自身でオンラインセミナーを開催したい方は、SNSでの発信や広告を使うことで、手軽に集客できます。 

休みの日に訪問リハビリを行う

副業をする時間を調整しやすい点では訪問リハビリも魅力的です。こちらは、自宅で療養している患者様の元へ出向いて主にリハビリの指導などを行います。報酬は件数や時間によって変わります。求人で細かな条件をしっかり確認するよう心がけましょう。

昨今では週1回からやシフト制の訪問看護ステーションも少なくありません。本業の就業時間や自分の目指す働き方に合わせた、柔軟なワーク・ライフ・バランスが実現できます。

【理学療法士として年収1000万】関連企業へ転職して稼ぐ

専門学校の数が増え資格を取る敷居が下がったこともあり、理学療法士の常勤従業員数は現在も増加傾向にあります。たとえば病院など自分と似たような年齢やスキルの療法士が多ければ、それだけ他との差別化は難しくなり、結果的に理学療法士としての昇給は難しくなるかもしれません。

そこで、病院以外の場所で活躍するのも一つの手でしょう。これまで学んだノウハウは活かしつつ、今までの職場では難しかった大幅な昇給も見込めます。

たとえば医療現場で使われる機材メーカーや、医薬技術を開発する企業も現在の医療を支えるうえで大きな役割を担っています。国家資格である理学療法士の知識と現場の知見を活かして、それら関連企業へ就職するのもよいでしょう。

求人数自体はそれほど多くありませんが、転職先の候補は多岐にわたります。先に退職した先輩からお誘いを得られることもありますので、もし頼れる知り合いがいればどのように転職したのか、転職してからどう変わったのかなど尋ねてみても良いでしょう。

【理学療法士として年収1000万】資格を気にせず独立開業する

「理学療法士及び作業療法士法」において、理学療法士の開業は禁止されています。しかしそれはあくまでも保険診療の枠内の話。

患者が全額を支払う自費診療であれば問題はありません。また、2013年になされた「各都道府県医務主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知」において、理学療法以外の関連業務(転倒防止の指導など)を行う場合でも、理学療法士と名乗ることが許可されました。

以上より、理学療法士として培った知識を活かしながら、自費診療での起業も視野に入ります。ちなみに起業した場合の平均年収は業務内容や勤務形態によっても幅が出ますが、上手く軌道に乗れば1000万円も十分目指すことが可能です。

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理学療法士の年収に関するまとめ

理学療法士に限りませんが給料アップはいきなり実現できるものではありません。スキルアップ、転職、副業、独立など様々な方法をもって収入アップを行う必要があります。

しかし、現場におけるやりがいを追い求めながら、工夫次第では年収1000万も実現できる職業でもあります。

そこで、自分の持つスキルや将来像と照らし合わせながら、満足のいくキャリアを描いてみると良いでしょう。

《参考文献》
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2019.htm#a-01

http://50th.japanpt.or.jp/trend/

https://career-picks.com/average-salary/rigakuryohoshinensyu/

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https://rehanavi.com/column/global/america_01_reha.html

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