近年、柔道整復師は増え続けており、その影響により整骨院・接骨院は飽和状態になっています。施術所1つあたりの売上は減少し厳しい状況です。
そのような状況の中でも潰れてしまうところもあれば、生き残っている整骨院・接骨院があります。その違いは何なのでしょうか?
そこで当記事では、整骨院・接骨院が潰れる理由について解説し、その対策を紹介していきます。
最後までお付き合いください。
整骨院・接骨院が潰れてしまう原因は?
整骨院・接骨院が潰れる理由は一つではありません。様々な原因が重なり潰れてしまいます。
過当競争になっている
最大の理由は、やはり柔道整復師が激増したことによる施術所の増加です。増加したことで顧客を奪い合うことになりますので、おのずと1つあたりの施術所の売上は下がってしまいます。
特に都市部では、競争が激化し潰れてしまう整骨院・接骨院が出てきて厳しい状況です。
経営方法が悪い
整骨院・接骨院の経営方法が悪く、潰れてしまうことがあります。整骨院・接骨院の経営者の特徴として施術技術は多く学んでいるが、経営に関する知識があまりない方が多いです。
独立開業するまでに自分が求める施術の知識や技術を習得しようと励む方が多いですが、経営に関することはあまり学びません。養成学校でも深くは教えないため、技術だけあれば何とかなると勘違いしてしまいます。
よって、経営を知らずに開業してしまったため余分な経費が掛かったり、うまく利益を出すことができなかったりして潰れてしまいます。
開業してからでも遅くはありませんが、しっかり事前に準備してスタートした方が絶対に上手くいくでしょう。
立地条件・周辺状況の悪さ
あなたの周りで、どのようなお店ができても潰れてしまっている場所はないでしょうか。
潰れてしまっている場所は、きっと立地条件が悪いと考えられます。駅から遠い、駐車場はあるが車が入りにくい、建物の陰に隠れてお店が分かりにくい等、お店は良いのに潰れてしまう場合があるはずです。
また、近隣に整骨院・接骨院が乱立しているような「周辺状況が悪い」と潰れてしまいます。施術所が増えたとはいえ、コンビニよりは少ないので徒歩圏内に5件以上あれば周辺状況が悪いと考えられます。
しかし、都市部では密集し、おのずと施術所の数が多くなりやすいため、徒歩圏内に10件以上あれば周辺状況が悪いといえるでしょう。
不正請求によるもの
整骨院・接骨院を経営していて、一番してはいけないのが不正請求です。これをしてしまうと、今後の柔道整復師としての人生が終わってしまいます。
なぜなら、不正請求をするとニュースになりますし、行政処分を受けるためです。管理をしている柔道整復師は、行政の対応をしなければいけないので、施術所を開けている場合ではなくなります。
そして、最大のリスクは受領委任の取扱いを中止されることです。不正した内容によりますが、3〜5年程度は保険請求ができなくなるでしょう。
そうなると患者様の経済的負担は増大し、かつ施術所も稼働日数が少ないとなると離反する人がほとんどですので、売上が大幅に下がってしまい廃業に追い込まれてしまいます。
絶対に不正請求はやめましょう。
廃業ラッシュになっている!?
上記の理由により整骨院・接骨院が潰れ、廃業ラッシュになってきています。せっかく開業したのに、潰れてしまっては借金しか残らないため、誰もが廃業したくないと考えていますよね。
潰れる原因を把握したら、業界がどのような状況か理解しておきましょう。次は、現在の整骨院・接骨院の実情を紹介していきます。
整骨院・接骨院の現状について
あまり知られていない、整骨院・接骨院の現状を紹介します。ひと昔前、整骨院・接骨院の業界はとても景気が良く、誰でも儲かる時代でした。
柔道整復師の急増により儲かる時代は終わり、しっかりと運営しないと生き残れなくなりました。
廃業率について
現在、整骨院・接骨院の廃業率に関する詳しいデータは出ておりません。あくまでも推測ですが、競争が激しくなっている以上、年々廃業率は高くなっている可能性はあります。
成功率について
整骨院・接骨院の成功率も、詳しいデータが出ていません。業種は違いますが成功率・廃業率の目安を参考にするには、飲食店をみてみると分かりやすいです。
飲食店は開業してから3年以内に7割、5年以内には8割、10年以内になると9割が廃業すると言われています。整骨院・接骨院でも同じようなことが言えるでしょう。
飲食店と異なる点としては、保険請求により患者様の負担を抑えることができるところです。負担が少なくなれば、おのずと通いやすくなりリピートに繋がるため、飲食店より経営はしやすい可能性があります。
うまくリピーターを増やせれば、飲食店より生き残れる可能性は高いと考えられます。
1人で整骨院・接骨院を経営しても成り立つ?
結論から申し上げますと、1人で整骨院・接骨院で経営しても成り立ちます。むしろ、1人で経営した方が人件費が掛からないため、経費を抑えることができます。現在、半数以上の整骨院・接骨院は1人経営です。
最近の傾向として、一軒家を建てて1階部分を改装し、整骨院・接骨院を開業する方も増えています。そうすることで、貸店舗ではないため家賃が実質必要ありません。家のローンを払うように、毎月支払いを行います。
また、パートナーがいる場合は現場に出てもらって一緒に働くことで、人件費をしっかり抑えて経営することができます。
整骨院・接骨院が潰れないための対策
では、どうすれば整骨院・接骨院が潰れないように運営できるのか解説していきます。
常に経営状況を把握しておく
まず、最も大切なことは経営状況を常に把握しておくことです。どのぐらいの収入があってどのぐらいの支出があるか分かっていないと、収入と支出のバランスが崩れ廃業してしまいます。
家計簿と同じで、整骨院・接骨院のキャッシュフローを明確にし、必要最低限の支出に抑えて利益をしっかり出せるような経営を行いましょう。
整骨院・接骨院で減らせる支出の例として、ウォーターサーバーの月額費用・雑誌の購入費・事務用品のコストパフォーマンス等が挙げられます。特に、事務用品に関しては少ない支出ですが、1個あたりのコストパフォーマンスを見直すと、年間支出が変わりますので検討しましょう。
差別化できるものを作り上げる
何か症状で困っている患者様は、整骨院・接骨院に対して特化したものを求めています。他とは違う差別化できるものがあると、魅力を感じ訪れてくれます。
特に魅力を感じないが、家から近いから来てくれる患者様だけでは利益を出すことができません。少し足を伸ばしてでも行きたいと思われるような整骨院・接骨院を目指しましょう。
なお、差別化を目的とした自費メニューの展開を検討中の方は、リハサクが提供するAI姿勢分析・運動療法のクラウドシステムを試してみてはいかがでしょうか。
システム1つで姿勢分析から運動療法の提供までワンストップで行うことができます。患者も満足して通院してくれるので、間接的に売上UPも期待できるでしょう。
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まずは無料で始められる広告を行う
いきなり有料広告をしてヒットすればいいですが、効果が無かった場合は更に経営を苦しめることになりますので、おすすめしません。まずは無料で始められるような広告からやってみて、うまくできそうであれば有料広告をやってみましょう。
無料で始められるものとして、SNS(Instagram・X・LINE)があります。SNSは分からないし苦手という方でも、現在は活用本や運営方法紹介サイト等がありますので、お手軽に始めることができます。
思い切って移転を考えてみるのも一つ
経営状況が悪い原因の一つとして「立地条件・周辺状況の悪さ」が考えられる場合は、思い切って移転してみるのも一つです。
移転にはそれなりの費用が掛かってしまいますが、先行投資と考えると割りに合う可能性があります。立地条件や周辺状況が悪いなと感じる方は移転を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
競争が激しい整骨院・接骨院は油断をすると潰れてしまう可能性も高いですが、しっかり経営の舵取りを行えば生き残れるチャンスがあります。
そこで状況を悲観せず、自分自身の状況を冷静に分析しコツコツと対策を行っていきましょう。
それでは当記事が、皆様のお力に少しでもなれば幸いです。
<参照元>
東京商工リサーチ:2018年「マッサージ業、接骨院等」の倒産状況は過去10年で最多93件に急増、5年連続で前年を上回る
厚生労働省:就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所
公益社団法人 日本柔道整復師会・機関誌:日整広報 Feel! Go! Vol249
ガイアックス:起業の成功率は低い?成功と失敗をわける3つの理由を解説