整骨院や接骨院において、患者さんの継続率は経営の安定に大きく影響を与える重要な指標です。継続率はリピート率とも呼ばれ、2回以上来院した患者数を新規患者数で割って計算します。
高い継続率は患者さんが定期的に通院していることを示し、信頼関係が築けている証拠です。この記事では、継続率の計算方法を具体例付きで詳しく解説します。
さらに継続率が低い原因や継続理を上げる方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
整骨院・接骨院の集客における継続率とは
継続率はリピート率とも呼ばれ、整骨院や接骨院における集客の状態を示すバロメーターのひとつです。継続率が高いと、繰り返し来院してくれる患者さんが多いことになるため、経営の安定化につながります。
継続率の計算方法および、目安について詳しくみていきましょう。
継続率の計算方法
継続率の計算方法は次のとおりです。
継続率=2回以上来院した患者の数÷新規患者数×100
次に回数ごとの継続率の計算方法と、具体的な計算方法を解説します。
回数ごとの継続率
2回以上来院患者を、さらに3回や5回、10回などと回数ごとに分けると、それぞれの回数で継続率を計算できます。
3回継続率=3回来院した患者数÷新規患者数×100
5回継続率=5回来院した患者数÷新規患者数×100
10回継続率=10回来院した患者数÷新規患者数×100
継続率を具体的な計算方法
実際に継続率を計算する場合は、2週間や1カ月、3カ月などと期間を限定します。ここでは2週間に期限を限定して、2回目の月間継続率を計算してみましょう。
まずは1カ月間の新規患者を数えて、その患者のなかで2週間以内に再び来院した数を割り出してみてください。それを前述した計算式に当てはめると、継続率を計算できます。
たとえば、1カ月の新規患者数が20人で、そのうち15人が2週間以内に来院したら次のように計算できます。
2週間以内の2回継続率=15÷20×100=75%
整骨院・接骨院における継続率の目安
整骨院・接骨院の場合、一般的に50~60%の患者さんが2週間以内に再び来院するのがひとつの目安といわれています。前項で計算した継続率の具体例は75%だったので、2回目の継続率については目安を満たしていることになります。
一方で計算の結果、50%を下回る場合は、継続率が目安を満たしていないので、患者さんへの対応についてなんらかの対策を講じることをおすすめします。
整骨院・接骨院の継続率が低い理由
整骨院・接骨院の継続率が低い主な理由は、次のとおりです。
- 施術スキルが未熟だから
- 患者さんのサポートが不十分だから
- 施術計画を伝えていないから
- 患者さんが忘れているから
それぞれについて解説します。
施術スキルが未熟だから
施術スキルが未熟だと、一度訪れた患者さんに継続して来院してもらうのは難しいでしょう。
整骨院や接骨院を訪れる患者さんは、体の痛みや不調の改善を期待して来院します。そのため施術の効果が感じられない場合や、症状が思うように改善しない場合、患者さんは別の院に移る可能性があります。
技術向上のためには、定期的に勉強会に参加したり、技術を磨いたりすることが必要です。スタッフを雇用している場合は、それぞれのスタッフのレベルを揃えるために、教育システムの整備も求められるでしょう。
整骨院・接骨院で行った施術が患者さんにどのような影響を与えるのかを観察して、常に改善しようとする姿勢が重要です。
患者さんのサポートが不十分だから
患者さんが継続的に通院しない理由の一つに、サポート体制が不十分な点が挙げられます。たとえば施術内容の説明がわかりにくかったり、患者さんの質問に十分に答えられなかったりすると、信頼関係を築けません。
また患者さんは、院内でのケアだけでなく、日常生活でのアドバイスや、自宅でできるケアの方法も知りたがっています。施術後にも十分なフォローアップ体制を整えると、継続して通院する意欲を引き出せるでしょう。
施術計画を伝えていないから
患者さんに対して、明確な施術計画を伝えていないのも、継続率が低下する要因のひとつです。患者さんは自分の症状がどの程度の期間で改善するのか、どのような施術を受けるのかを知りたがっています。
そのため施術の目標や予定を具体的に伝え、患者さん自身が施術を受けることで得られるメリットを、明確なビジョンとして持てるようにすることが大切です。それが、継続来院への動機を強めることにつながります。
また施術計画を共有すると、患者さんは施術プロセスに対する理解を深められるため、施術を受けることに対するモチベーションも高まります。
施術計画は口頭ではなく、紙やデジタル端末に表示して見える状態で示してあげると、より伝わりやすくなります。継続率を高めたい場合は、施術計画の伝え方についても見直してみてください。
患者さんが忘れているから
患者さんは、単に通院を忘れてしまうということもあります。とくに痛みが少し改善したり、仕事や家事で忙しかったりすると、通院を忘れがちです。通院を忘れられないようにするためには、リマインダーを送ったり、予約確認のシステムを活用したりすることが有効です。
SMSやメールで次回の予約日を通知するなど、患者さんに通院の重要性を思い出させるように工夫してみましょう。また施術を中断するデメリットについて、しっかりと伝えると、患者さんに継続の意識を持たせることができます。
整骨院・接骨院の継続率を上げる方法7つ
整骨院・接骨院の継続率を上げる方法について、次の7つを紹介します。
- 施術スキルを高める
- カウンセリングに力を入れる
- 施術計画を伝える
- 予約制にする
- アフターフォローを充実させる
- 来院をリマインドする
- 回数券を導入する
継続率を高めたい場合は、ぜひご覧ください。
施術スキルを高める
施術スキルを高めると、患者さんが施術に効果を感じるため、継続して通院する意欲が向上します。また施術スキルが高いと、患者さんの症状も早く改善するため、信頼感アップにもつながるでしょう。そのため日々スキルを磨くことは、院の継続率を高める最も重要な要素です。
全国にいる20代~60代の男女3000人に行ったアンケート調査でも、ヘルスケア関連施設を継続利用する理由として、「技術(スキル)に満足」と回答した人が前年代を通して最も多いことがわかりました。
▼整体・リラクゼーションサロンの利用を続ける理由
施術技術を向上させるためには、定期的に研修やセミナーに参加し、最新の技術や知識を学ぶことが効果的です。また昨今は、柔道整復師や整体師を対象としたさまざまな学術団体も存在します。そのような団体に加入して学ぶのもスキルアップに有効です。
カウンセリングに力を入れる
丁寧なカウンセリングを心がけると、患者さんの悩みや症状をしっかりと理解し、その上で最適な施術を提案できます。初診時だけでなく、施術後や経過観察の際にも、患者さんの声に耳を傾けることが大切です。
またカウンセリングに時間をかけると、患者さんは自分の症状が理解されているという安心感を得られ、信頼関係が深まります。「本当によくなるのか」という不安も減り、継続的な通院につながります。
施術計画を伝える
患者さんは、どのような施術とプロセスを経て症状が改善するのかを理解することに大きな関心を持っています。施術計画を明確に伝え、今後の見通しを共有すると、患者さんに安心感を与えられ、継続通院に対するモチベーションも高められます。
たとえば初回の施術後は、次のような内容を説明するとよいでしょう。
「次回はどのような施術を行う予定か」
「施術完了までに何回くらい通院が必要か」
「過去の患者さんは、どのように良くなっていったか」
以上のように具体性を意識して計画を説明すると、患者さんは納得でき、計画的に通院を続けやすくなります。
予約制にする
予約制を導入すると、患者さんを待たせずに済むため、次回も来院してもらいやすくなります。とくに忙しい患者さんの場合、待ち時間が少ない方が都合がつきやすいため、継続来院につながります。
さらに予約制にすると、患者さんに次の来院を促しやすくなる点もポイントです。施術計画を説明したあとに、次回の予約を進めると、スムーズに継続通院へとつなげられます。
また予約制を導入する場合は、変更やキャンセルへの対応もスムーズに行うと、患者さんは安心して通院できます。
アフターフォローを充実させる
施術後のアフターフォローも、継続率を上げるためには欠かせません。施術後に「その後の調子はどうですか?」といった連絡を入れると、患者さんは自分が大切にされていると感じ、院に対する信頼感が増します。
また次回の施術までに行うべきセルフケアや、日常生活で気をつけるべきことをアドバイスすると、患者さんは自身の回復に積極的に取り組むようになります。こうしたアフターフォローが充実していると、患者さんは安心して通院を続けられるでしょう。
施術後のアフターフォローを充実させたい場合は、ITツールの活用もおすすめです。リハサクの運動療法クラウドを活用すると、フィジカルチェック機能で患者さんのお体の状態を数値化し、それぞれに適した運動療法を動画で提供できます。
800種類以上の運動メニューが収録されているので、患者さんのレベルに合わせて運動メニューを自在にカスタマイズできます。継続率の向上に役立つツールなので、ぜひ利用を検討してみてください。
来院をリマインドする
患者さんは、通院の予定を忘れてしまうことがあります。そのため、次回の予約が近づいたらリマインダーを送ることが有効です。メールやSMSでリマインドを行うと、患者さんに通院の予定をしっかりと意識させることができます。
リマインダーを送る際には、「その後のお体の状態はいかがでしょうか?」といった患者さんを気遣うメッセージを添えると、患者さんの信頼感を高められます。
来院のリマインドや施術のメッセージを送る場合は、LINEを活用するのもおすすめです。リハサクでは、LINEアカウントの運用方法や登録者を増やすノウハウを詳しく紹介した資料を準備しました。興味がある方は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
回数券を導入する
回数券を導入すると、患者さんが継続通院する際のハードルを低くできます。継続通院をすると、施術を受けるたびに料金を支払う必要があるため、それがハードルとなって途中で通院を止めてしまうケースもあるのです。
そこで回数券を導入して、複数回分の施術料金を前もって支払ってもらう形にしておくと、施術を受けるたびに料金を支払う必要がなくなります。その分、継続通院のハードルを低くできるので、継続率アップが期待できます。
回数券を導入する際には、1回あたりの料金が通常の料金よりも低くなるように設定すると、購入する人を増やせるでしょう。
整骨院・接骨院の継続率をアップさせよう
整骨院や接骨院の継続率は、患者さんが再来院する割合を示す重要な指標です。継続率が高ければ、経営の安定につながる一方、低い場合は継続率を高めるための対策を講じる必要があります。
継続率は次のように計算します。
継続率=2回以上来院した患者数 ÷ 新規患者数 × 100
整骨院・接骨院の場合、まずは2週間以内の月間継続率が50~60%以上になることを目指すとよいでしょう。今回は継続率アップの方法を7つ紹介したので、そちらも参考にしてください。
継続率アップを図るためには、ITツールを導入してアフターフォローを手厚くするのもおすすめです。有効な施策を取り入れたい場合は、リハサクをお試しください。
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