柔道整復師の現状と将来性について〜市場価値を高める方法とあわせポイント解説〜

柔道整復師の将来性とは?気になる需要や未来について解説します

昨今、将来性を考えて何か資格を取得する方が増えています。

柔道整復師もその一つで、柔道整復師の養成施設で3年以上通学し、国家試験に合格すると資格取得することができます。合格率は約60〜70%程度ですので、真面目に勉強すれば合格できるでしょう。

柔道整復師とは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などのケガや痛みを改善し、困っている人々を助けられる職業です。

また、理学療法士や作業療法士と大きく違う点として、整骨院・接骨院を独立開業することがでるので、魅力のある資格と言えます。

当記事では、柔道整復師の将来性について、気になる需要や未来に関しても解説します。

最後までお付き合いください。

柔道整復師の仕事に将来性がある理由

まず、柔道整復師の仕事には将来性があります。ここでは、将来性がある理由を紹介します。

柔道整復師を表すイメージ画像

超高齢者社会により需要がある

国の高齢化の状況を示す指標として、高齢化社会・高齢社会・超高齢社会というものがあります。

高齢者、すなわち65歳以上の人口が全人口に対し21%を超えると「超高齢化社会」と言われます。

日本は2007年に超高齢社会となり、2025年には約30%・2060年には約40%に達すると予想されていて、減少することはありません。

よって、高齢者に携わる柔道整復師は、更に需要が高まっていくと考えられます。

何歳でも働ける

普通のサラリーマンの場合、会社勤務になるため必ず定年が存在します。定年した後もお金が必要で働きたくても、働けないことが多いです。

定年後、5年程度は何らかの形で働ける場合がありますが、10年は働けないでしょう。

柔道整復師も勤務している際はサラリーマンと同様ですが、独立開業して整骨院・接骨院を経営している場合は異なります。

基本的に、整骨院・接骨院を開業していたら定年はありません。自分の好きな時に退職できます。

体力が続く限り、何歳になっても働けますので、定年と言われる60歳を過ぎても整骨院・接骨院を営んでいる柔道整復師も多いです。

さまざまな働き方ができる

近年、柔道整復師の働き方も多様化していて、整骨院・接骨院に勤務するだけでなく、さまざまな働き方があります。

病院(整形外科)・介護施設・スポーツジム・一般企業など、柔道整復師の資格を用いて活躍できる職場が多くあるのです。

よって、ステップアップとして転職する方も多く、他の分野で働く方も少なくありません。

また、本来の柔道整復師として施術をしたい方は経験を積み、整骨院・接骨院を開業します。

独立開業に向いている人は、志が高く自分自身でやり遂げたいという、強い意志のある方が良いでしょう。

柔道整復師の将来性について不安要素もある

しかしながら、柔道整復師の将来性について不安要素もあるのが事実です。不安要素を知った上で、柔道整復師になりたいかどうか考える必要があります。

不安を表すイメージ画像

柔道整復師が急増している

昨今、柔道整復師は急増していて、毎年約3000人も増えています。それでも一時期よりは減少していて、多い時は約8000人増えていました。

令和4年衛生行政報告例によると、就業柔道整復師の数が平成24年(2012年)には58573人でしたが、令和4年(2022年)には78827人までなっています。

柔道整復師が増えてしまうと、就職することが難しくなってしまう可能性があるため、将来性について不安なところがあるでしょう。

しかし、整骨院・接骨院業界はこれだけ増えているのにも関わらず、柔道整復師が不足しています。

求人をみても、多数の整骨院・接骨院が柔道整復師を募集しているため、就職に関してあまり心配はないでしょう。

整骨院・接骨院が飽和状態

柔道整復師が急増しているため、開業している整骨院・接骨院も非常に多いです。

同じく令和4年衛生行政報告例によると、施術所の数が平成24年(2012年)には42431件でしたが、令和4年(2022年)には50919件にまでなっています。

コンビニの件数近くまで増えてきているため、顧客の取り合いになり飽和状態になっているのでしょう。

よって、競合過多で生き残るには工夫が必要ですが、方法次第で儲かっている整骨院・接骨院があります。

食えない柔道整復師も出てきている

上記では、整骨院・接骨院を開業していれば定年がなく何歳でも働けると紹介しました。しかしながら、裏を返せば定年を過ぎても働かざるをえない状況にあるとも言えます。

20代に整骨院・接骨院を開業した場合、国民健康保険に加入するため、厚生年金ではありません。したがって、受け取れる年金が少なくなってしまうので、働かなくてはならなくなります。

受け取る年金が少なくても、若い時にしっかりと稼いで貯金があれば問題ないです。

しかしながら、競合過多により、あまり稼げず貯金が無い場合は定年を過ぎても働くしかありません。

将来性のある柔道整復師とは

柔道整復師が供給過多であっても、将来性のある柔道整復師もいます。どのような柔道整復師に将来性があるのか紹介していきます。

柔道整復師の未来を表すイメージ画像

患者様に信頼されている

まず一番大切なのは、施術をしている患者様に信頼されていることです。信頼性が無いと、そもそもリピートしてもらえませんし、何かあった時に来院してくれません。

あそこの柔道整復師は頼りないと思われてしまうと、どこか身体を痛めても違うところへ行ってしまうでしょう。

誠意を持った対応や分かりやすい説明を心掛け、患者様との信頼関係を築き上げることで、将来性のある柔道整復師になれます。

確固たる技術を持っている

これだけは誰にも負けないという、確固たる技術を持っている柔道整復師は将来性があります。

大変有効な施術技術があると、それだけで患者様は信用して来てくれますし、リピートもしてくれます。

自分自身の腕を磨き、自信を持って患者様に提供できる技術を身に付け、将来性のある柔道整復師になりましょう。

専門分野で活躍している(介護・スポーツなど)

各分野で専門性を活かし、活躍している柔道整復師は将来性があります。専門分野に特化していることにより、需要があるため活躍できる場が多くあるでしょう。

柔道整復師兼ケアマネージャーとして介護現場で働いたり、柔道整復師兼スポーツトレーナーとしてスポーツ現場で働いたりしていると、普通の柔道整復師にはない専門性があります。

まとめ

柔道整復師は将来性がありますが、不安要素もあります。しかし、それはどの業界でも同じで良い部分もあれば、悪い部分もあります。

柔道整復師の業界事情を知った上でなりたいか、なりたくないか考えてみるといいでしょう。

一番大切なのは、選んだ仕事を好きになれるかどうかです。好きになることができれば、誇りを持って仕事ができるため、成功に繋がりやすいです。

当記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

<参照元>

公益財団法人長寿科学振興財団 | 日本の超高齢社会の特徴

厚生労働省 | 令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)


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