柔道整復師としての生き残りは難しい?現状から生き残るための方法について解説します

柔道整復師の生き残りついて〜厳しい理由や生き残る方法を徹底解説〜

柔道整復師とは、主に整骨院・接骨院で働く「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」を施術する医療系国家資格です。

あまり知られていない資格ですが、スポーツトレーナーにもつながるため、人気が高くなってきています。

当記事では、そのような柔道整復師の生き残りについて、厳しい理由生き残る方法を徹底解説します。

最後までお付き合いください。

柔道整復師の生き残りが大変な理由

結論から申し上げますと、柔道整復師は生き残りが大変になってきています。ここでは、なぜ大変なのか理由をいくつか紹介します。

施術する柔道整復師の様子

柔道整復師が急増している

近年、柔道整復師が急増しているため、生き残りが難しくなってきています。

令和4年衛生行政報告例によると、就業柔道整復師の数が令和4年(2022年)で78827人にまで増えていますので、その分生き残りが大変だと言えるでしょう。

平成24年(2012年)では58573人だったため、10年間で20000人増えていることになります。

しかしながら、整骨院・接骨院では柔道整復師が常に不足していて、多数の求人募集があります。

よって、就職先をあまり選ばなければ、どこの整骨院・接骨院でも入職はできますので心配はありません。

整骨院・接骨院が乱立して飽和状態

前述の通り、柔道整復師が増えてくると、それに伴い整骨院・接骨院も増加してきます。

整骨院・接骨院は、柔道整復師が唯一開業できる施設になりますので、柔道整復師の数に比例して増えていくでしょう。

同じく令和4年衛生行政報告例によると、施術所の数は令和4年(2022年)には50919件となっており、平成24年(2012年)の42431件と比較すると10年間で10000件近く増えていることになります。

とくに都市部では増加が激しく、半径500m圏内で整骨院・接骨院が10件以上あることもあり、乱立して飽和状態となっています。

飽和状態で生き残るには、他の整骨院・接骨院にはない特別な何かを持っていないと、なかなか難しいでしょう。

独立開業しても食えない可能性がある

都市部だけでなく、地方でも整骨院・接骨院は徐々に飽和状態になってきていて、商圏の取り合いをしています。

地方の場合は車移動の方が多いため、駐車場を併設している整骨院・接骨院がほとんどです。

よって、車で行ける範囲が商圏となるので、他の整骨院・接骨院と被ってしまい、なかなか集客がうまくいきません。

せっかく経験を積み、資金を調達して独立開業しても食えない(経営困難になる)可能性があります。

勤務柔道整復師は生き残れる

独立開業をすれば、周りにライバルが多くいますが、どこかに勤務すればそのような心配はありません。

ここでは、勤務柔道整復師が生き残りできる理由を紹介します。

柔道整復師が患者に施術を施す様子

国家資格であること

まず、柔道整復師が生き残れる最大の理由は「国家資格」だからです。

民間資格と異なり国家資格は、国に認められた資格なので、資格取得者が困らないようにある程度保証されています。

国家資格なのにもかかわらず、就職難になったり生活困難になったりしてしまうと、国の信用問題になりかねません。

そのため基本的には、柔道整復師の就職先を狭めたり、賃金を大幅に下げたりはしないでしょう。

急増しているが働く場所は非常に多い

昨今、柔道整復師の働く場所が増加していて、整骨院・接骨院のみならず整形外科・介護施設・スポーツジム・一般企業など、さまざまな場所で就職できます。

整骨院・接骨院は昼休憩が長い(約2〜3時間程度)ため、どうしても朝が早くて夜は遅くなってしまいます。

そのため、一般企業のように9時〜17時で仕事をしたいと考える学生も多く、整骨院・接骨院の人気があまりありません。

介護施設は、デイサービスを中心とした機能訓練指導員として働くので、9時〜17時をベースとした勤務時間になるでしょう。

スポーツジムなどでトレーナーとして働く場合は、9時〜17時ではありませんがシフト制ですので、整骨院・接骨院に比べると拘束時間が短くなります。

整骨院・接骨院以外にも、さまざまな就職先がありますので、柔道整復師は生き残りができると言えます。

どの職場も人手不足

柔道整復師は急増していますが、下記の理由等により、どの職場も人手不足となっています。

  • 柔道整復師関連の仕事をせず一般職をしているため
  • 妊娠・出産で仕事ができないため
  • 整骨院・接骨院の就職人気が低下しているため
  • 柔道整復師の働く場所も増えているため

よって、勤務できる場所は多くありますので、自分に合った職場を好きに選べ、勤務柔道整復師として生き残ることができます。

柔道整復師として生き残るためには?

では、勤務柔道整復師以外の「独立開業している柔道整復師」は、どのようにして生き残っていけば良いのでしょうか。

ここでは、とくに独立開業している柔道整復師が生き残る方法を紹介します。

前向きに進柔道整復師を表す写真

患者様と信頼関係を構築する

まず、顧客となる患者様としっかりラポールを形成し、何かあったら来院してくれる関係を構築しましょう。

信頼関係が構築されることで些細な悩みでも相談してくれたり、踏み込んだ質問にも答えてくれたり、新たな症状や改善策の発見につながる事も多くあります。

患者様目線に立ってみても、不調が出た際に近場で相談ができる人がいる事はQOLの向上にも繋がるので、まずは地域の方との信頼関係が築けるように施術所の運営を行いましょう。

差別化できる技術を習得する

整骨院・接骨院が年々増加し飽和に近い状態になっていますので、他と差別化できる技術を1つでも多く持っていると、生き残れる確率がグッと上がるでしょう。

技術が習得されることで施術者の自信につながり、多くの整骨院・接骨院と差別化ができるでしょう。

昨今は本やセミナーを利用することで、施術前の評価から施術内容についても技術の学習が可能です。学習した技術を習得し臨床でも活かせるよう、練習の時間もしっかり設けるようにしましょう。

関連資格を取得する

柔道整復師の資格だけで不安な場合は、関連資格の取得をおすすめします。代表例として、鍼灸師・スポーツトレーナー・ケアマネージャーなどがあります。

独立開業をしていて、始めに考えるのは鍼灸師でしょう。鍼灸師の資格があれば、鍼や灸を用いて身体の悩みを改善できるため、柔道整復師の資格と併用できます。

柔道整復師と鍼灸師のダブルライセンスを持っている方は多いので、他の整骨院・接骨院と大きく差別化されるわけではないですが、一つの武器として十分に価値が発揮されます。

スポーツに特化した整骨院・接骨院を経営したい場合、スポーツトレーナーの資格を取得するといいでしょう。トレーナーの知識があれば、スポーツ選手に対してさまざまな施術やアドバイスができます。

ケアマネージャーは実務経験が必要ですが、介護関係の仕事がしたいのであれば、持っておくと役に立ちます。

まとめ

柔道整復師の業界は厳しくなっていますが、方法次第でまだまだ生き残る資格です。

とくに、勤務柔道整復師はどこも人手不足なため、自分自身に合った職場をじっくり選ぶことが可能です。

独立開業すれば、過当競争の中で戦うことになりますので、厳しい環境ではありますが、差別化できれば生き残れるでしょう。

柔道整復師として収入UP、キャリアUPを図っていきたいと考えている方は是非こちらの記事もご参照ください。
整骨院・接骨院で働く柔道整復師の収入・給料とは?働き方や年収アップ方法も紹介

<参照元>

厚生労働省 | 令和4年衛生行政報告例


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