2025年2月18日、あはき・柔整に関する新たな広告ガイドラインが発表されました。整骨院や接骨院の広告は、従来から一定の規制が設けられていましたが、今回のガイドラインにより、より明確な基準が示されることとなりました。
特に広告対象の明確化、虚偽広告・誇大広告の禁止、比較優良広告の厳格化などが追加されました。適切な広告表現を理解せずに宣伝を行うと、行政指導や業務改善命令の対象となる可能性があります。
本記事では、最新のガイドラインの内容を分かりやすく解説し、注意すべきポイントや違反しやすい表現について詳しく紹介します。
2025年2月公布 あはき・柔整広告ガイドラインとは?
広告違反を防ぐための基本ルール
施術所の広告は、患者の誤解を招かないことが最優先とされています。そのため、提供する施術の内容や効果を誇張したり、不適切な表現を用いたりすることは認められていません。
これらのルールは、医療機関と同様に、施術を受ける側が正確な情報をもとに適切な判断を行えるようにするために設けられています。施術の安全性を確保し、誤解を防ぐことが、今回のガイドラインでも引き続き重視されています。
今回のガイドラインで特に明確になったポイント
今回のガイドラインでは、特に「何が許可され、何が禁止されるのか」がより具体的に示されました。
また、従来の広告媒体に加え、インターネットやSNSなど新たなメディアでの表現にも注意が必要になっています。
広告の定義
そもそも整骨院・接骨院で行われる広告は以下の3つの性質を持つものと定義されています。
- 【誘引性】利用者を誘引する意図があること
- 【特定性】氏名又は施術所の名称が特定可能であること
- 【認知性】一般人が認識できる状態にあること
これらの性質があるものは全て広告に当てはまります。
整骨院・接骨院の広告できる表現一覧
ガイドラインでは、施術所が広告に記載できる情報が明確に規定されています。許可されている主な項目としては、以下のようなものがあります。
- 氏名や住所
- 施術所の名称(ただし、医療機関と誤認される名称は不可)
- 連絡先(電話番号・メールアドレスなど)
- 提供する施術の種類(特定の症状や治療効果を強調する表現は不可)
- 施術者の保有資格施術日や休療日
- 医療保険療養費支給申請ができる旨
- 予約制や夜間の施術に関する情報
- 出張による施術の情報
- 駐車設備に関する情報
これらの情報は、正確に記載することが求められています。誤解を招くような言い回しや、不必要な強調は避けましょう。
特に注意すべきポイント
ガイドラインでは、「患者が冷静に施術所を選択できるようにすること」が強調されています。そのため、特定の疾患に対して治療効果を保証するような表現や、他の施設と比較して優位性を示すような文言は避ける必要があります。
例えば、「県内で唯一、〇〇に対応しています!」「出張施術はここだけ」などの表記など、客観的な事実であったとしても、患者に誤った認識を与える恐れがあるため、規制対象になる可能性があります。
今回のガイドラインで明示的に禁止された表現
虚偽の禁止
例えば、実際には、土日祝日は施術の受付をしていないのにもかかわらず、「休日も朝から晩まで対応します!」や「年中無休」と表示することは、虚偽となります。
誇大広告の禁止
例えば、「どんなお客様も医療保険療養費支給申請ができます。」という表示は、誇大広告となります。
筋肉痛、肩こり等は保険適用ではないため、どんなお客様も保険が適用されるという表現は、誇大な表現です。
比較優良広告の禁止
あはき・柔整に関する広告では、比較優良広告や公序良俗に反する内容、品位を損ねる内容の広告は適切ではありません。
たとえ客観的な事実であっても、自院や施術者が他より優れていると示す広告は誤解を招くおそれがあり、法令の規制対象になる可能性もあります。
利用者が正しく理解し、適切に施術を選択できるよう、客観的で正確な情報を提供することが求められ、公序良俗に反する内容や品位を損なう広告は禁止されます。
具体的な例を以下に挙げます。
- 県内で唯一、〇〇に対応しています!
- 出張施術はここだけ
- 交通事故無料
- 今だけ駐車料金2時間無料キャンペーン
ウェブサイトは広告なの?
施術所のウェブサイトは、施術所の情報を得ようとする患者様が自らURLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものです。
そのため、【認知性】を満たさないものとして、これまで情報提供や広報として扱われてきました。今後も、引き続き原則として広告ではありません。
ただし、バナー広告や検索エンジンの広告、施術所の口コミサイトやランキングサイト、ポータルサイトなど、施術所が広告費を支払って掲載されるものは、【認知性】が満たされるものとして扱われます。そのため、更に【誘引性】【特定性】満たす場合には、広告として扱われます。
また、バナー広告等がリンクする施術所のウェブサイトも、【認知性】を満たしていると判断できるため、広告とみなされます。
SNSは広告なの?
まず、SNSは公開範囲が限られていないものと、公開範囲が限られているものがあります。
公開範囲が限られていない場合、最初から一般の人が見られる状態のため、ウェブサイトと違い【認知性】を満たしています。そのため、【誘引性】【特定性】を満たすような投稿の場合は、広告として扱われます。
公開範囲が限られている(非公開アカウント等)場合、初めは特定の人しか見られなくても、SNSの性質上、投稿が拡散される可能性があります。
そのため、【認知性】を満たしていると判断され、【誘引性】【特定性】を満たすような投稿の場合は、広告として扱われます。
ウェブサイトに掲載すべきでない内容
インターネットを使った情報発信が一般的になっている中で、あはき師法や柔整師法に該当しない広告も含めて、ウェブサイトの内容が適切であることが求められています。
そのため、今回のガイドラインでは、広告に該当しないウェブサイトについても、自主的に適切な運用をするよう、具体的な例が示されました。
内容が虚偽や客観的事実であることを証明することができないもの
今回のガイドラインでは、特に施術の効果を確約するような表現が厳しく規制されています。
例えば、「この施術で必ず痛みがなくなります」といった表現は、患者個人の体質や症状によって施術の結果は異なるため、一律に効果を断言することはできず、科学的根拠のない表現となります。
以下に、そのほかの具体的な例をあげます。
- 「どこへ行っても治らなかった方、 諦めないで当院へ。」
- 「本当によくなりたいと思っている方、何とかします。」
- 「痛くない独自の技術で驚きの効果。」
他院との比較により自院の優良性を示そうとするもの
「業界No.1」「〇〇療法の第一人者」といった表現は、仮に事実であったとしても、優良性について利用者に誤った認識をさせ、不当に来院を促すおそれがあるため記載しないようにしましょう。
例えば、「著名人も当施術所で施術を受けております」という表記をする場合、他の施術所より優れていると誤った認識を与えるおそれがあり、事実であっても、広告しないようにしましょう。
以下に、そのほかの具体的な例をあげます。
- 「口コミサイトで1位を獲得」
- 「全国優良〇〇院」
- 「〇〇にも掲載された」
内容が誇大なものや自院にとって都合が良い情報などの過度な強調
当たり前のことを大げさに言ったり、実際には活動していない団体の資格名を使ったりすると、利用者に誤った認識をさせ、不当に来院を促すおそれがあるため記載しないようにしましょう。
また、口コミ等、整骨院にとって都合の良い感想だけを選んで載せると、利用者に誤った認識をさせる可能性があるため、記載しないようにしましょう。
特に、利用者に謝礼を支払って、良い口コミを取得するような方法は、行わないようにしましょう。
まとめ
今回のガイドラインでは、広告表現のルールがより明確になりました。施術の内容を正しく伝えながら、誇大広告や誤解を招く表現を避けることが求められます。
- 虚偽広告や誇大広告を避ける:「100%改善」「唯一の技術」など、治療効果を断言する表現を使用しない。
- 比較広告を避ける:「No.1」「口コミ1位」など、証明できない優位性を強調しない。
- SNSやウェブ広告の取り扱いに注意:バナー広告やランキングサイト掲載は広告に該当する可能性があります。また、SNSについても、広告と判断される場合があるので、注意しましょう。
違反を防ぐためには、定期的に最新のガイドラインを確認し、適切な情報発信を行うよう心掛けましょう。